円覚寺にお伺いしたのは、もう2年程前のことだと気付いた。
鎌倉という土地は東京から近いのだけれども、近さ故に観光客も多く、足がなかなか向かない場所でもある。
今回日本橋の三井美術館で円覚寺の至宝展が開催されると知り、内容を調べてみたら坐禅や法話が開催される日があるということだったので、事前予約が必要な坐禅が出来る日をチョイスしたら、至宝展最終日だった。
坐禅が始まる10:30に間に合うように三井美術館に到着。
そして観覧券を購入した後、坐禅が行われるレクチャールームへと向かうと、さほど広くは感じられない会場内にぎっしりと座布団と坐蒲が敷かれていた。
受付を済ませた後、好きなところにお座りください、との案内だったので、人の居ない場所に座る。
そして時間になり、僧侶の方から坐禅の説明を受ける。
お寺での坐禅は永平寺での参籠を始め、数ヶ所で参加させていただいたことがあるのである程度は慣れていたつもりなのだけれども、やはり何事も初心忘れべからず、ということで、今までの経験を忘れて、説明を聞いた。
この坐禅体験プログラムは、
2時間のゆったりした坐禅体験プログラムです。
まず軽いボディワークをして緊張を和らげ心身を整えます。
次に呼吸への意識の向け方を説明してから実際に足を組んで坐禅をします(15分を2セット)
~『円覚寺の至宝』リーフレットより引用
ということで、イキナリ坐禅に入るという訳ではなく、ますは身体を動かして、坐禅しやすい身体を整える。
このボディワークを行っている最中、昔高野山のイベントでお教えいただいた臨床動作法というものを思い出していた。
正しい所作が正しい心を生む。
既に教えていただいていたのものを、忘れていたのは他ならぬ自分自身だったのかと気付く。
そして丁寧に呼吸の仕方などをお教えいただき、坐禅に入った。
近頃は自宅で坐禅をしようとすると、思考のノイズが頭を駆け巡り、集中出来ない状態だった。先日受けたマッサージでも左脳が優先になっていることを指摘されて、そして今回、レクチャーを受けて坐禅してみると、最近の自分は如何に頭でばかり考えていたのだろうと実感することが出来た。
やはり我流で整えることが難しいということを身をもって体験した訳でして。。。
その他にも物理的に地に足をつけることや、丹田を意識することの重要さをお教えいただけた。
そしてまだ展示物を見ていないのならば、仏様のある部分に注目して見てみると良いですよ、とお教えいただけたので、坐禅体験プログラムの後、展示物を見てみると、言われた通りの仏様の状態を拝見することが出来た。
日々の忙しさやノイズにかき乱され、己を見失っていた私にとっては、今回こちらでの坐禅に参加させていただけたことは大きな気付きとなったのでした。
頭で考えることを止めるだけ。
最近、自宅でお祀りしている方が堂本剛さんのDVDなどを流すと何故かとてもお喜びになられるので(←明らかに表情が微笑んでいる状態になる)頻繁に見ているのだけれども、先日も『縁を結いて』のドキュメンタリーが収録されていたDVDを見ていたら、堂本さんが「直感に従って行動すれば良いのに」というようなことをさりげなくおっしゃられていた。
これも何かのメッセージなのだと思っていたけれども、今回こちらで坐禅を行ったことで、その想いは一層強固になった。
自分を縛っていたのは、他ならぬ頭ばかりで計算していた、自分自身だったのだということを。