薬師寺から次に向かうは法隆寺。
薬師寺南門近くの駐車場から「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」というバスが出ており、乗り換えなしに移動できるということだったので、駐車場へ向かうと、お稲荷さんが御鎮座されていることに気付く。
孫太郎稲荷神社
お参りしても大丈夫な気がしたので、鳥居を潜ると
優し気な狐さんたちがいらっしゃった。
薬師寺からほど近いと言うのに、参拝客の姿は見当たらず、その静寂さに救われたような気分になりながら、赤い鳥居を潜る。
拝殿前に進むと、その密やかに佇まれているその姿に、一種の感動を覚えつつ、こちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせてもらった。
とても小さな境内だけれども、何故か透き通ったものを感じてしまったりして。
そして境内を後にして、再び駐車場に進むと、再び神社があった。
休ケ岡八幡宮
鳥居近くにあった案内版を見ると
古来より、薬師寺への参拝の際は、まずご鎮守様である休ケ岡八幡宮に詣で、身を清めてから、というお作法が伝えられております。
と書かれていた。。。
気を取り直して、手水で清めて
鳥居を潜ると
神さびたお社があった。
こちらの八幡様は寛平年間に大分県宇佐から現在地に勧請された、と言うことで、宇佐神宮と同じような雰囲気を感じてしまったのは、至極当然のことなのだろう。
こちらでもお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただいた。
そして駐車場に到着して、「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」のバスを待っていたのだけれども、バスの到着予定時刻を過ぎても、なかなかバスは来なかった。
バスを待って15分経過。
20分過ぎても来ないようならば、別の手段で法隆寺へ、と考えていたところ、ほどなくバスの姿が見えて、無事法隆寺へと向かうバスに乗車することが出来た。
そして法隆寺へと向かうバスが途中の停留所に到着した際に、乗り込んできた一人の乗客がバスが遅れて来たことに対してえらく憤慨していて、バスの運転手さんや乗客に聞こえるように独り言をぶつぶつと聞こえるようにつぶやき、怒りを露わにして憤慨していた。
その姿を見て、薬師寺で拝聴した説法のことを思い出していた。
西遊記は孫悟空、猪八戒、沙悟浄という妖怪と共に、三蔵法師様が天竺を目指すというストーリーだけれども、実際は三蔵法師様がそれらの妖怪と共に天竺に向かったと言う訳ではなく、己の中にいる妖怪~孫悟空は慢心、猪八戒は欲~等々を携えて、不東の精神で天竺へと向かう話なのだということを聞いた。
バスが遅れてきたことに怒り狂っているその人からは、自分の思い通りにならないと他人に怒りを振りまくような、孫悟空という存在しているのではないかと。
西遊記では、三蔵法師様は感情気ままに振る舞う孫悟空を戒めるために『緊箍児(きんこじ』という輪を孫悟空に頭にはめられた。そして孫悟空が悪さをする度に呪を唱えてその緊箍児を締め付けたという。
己の中に居る妖怪。
それを野放しにしていると、こういった姿になるのだと言うことを神様や仏様に見せられているような気分になってしまった。