山王院から訳も分からぬまま、道なりに進むと水屋形が見えてきた。
弁慶修行の比叡の霊泉「弁慶水」
こういったものがあると言う事は全く知らなかったのだけれども、こちらの前に佇んだときに、とても力強いものを感じた。
なので思わず手を合わせてしまったけれども、ここがどういう場所だかは分からなかったというのが正直なところだった。
東京に戻り、比叡山のこの水屋形について調べてみたら、この閼伽水は「千手水」「千寿水」「弁慶水」など多くの異称を持つ閼伽水であるということだった。
そして、これが弁慶に関する水だと言う事を知った。
武蔵坊弁慶、一千日夜に勇力を大士に祈り、この水を用って浴身す。(弁慶水)
やはり、自らの足を運ばなければ、ガイドブックなどでは知る事が出来ないものがあると言う事を改めて実感した訳でして。。。
そのまま道を進むと東塔エリアの法華総寺院、そして阿弥陀堂のところに辿り着く。
東塔から西塔エリアはバスを使わなくても、自力で歩いていくことが出来る場所だったという事を知れたことも今回の旅の収穫の一つ。
今回、法華総寺院前に辿り付いた時には、雨のせいかガスがかかっていて、それはそれは幻想的な雰囲気を醸し出していた。
法華総寺院 東塔
阿弥陀堂
誰も居ない中、夢のように幻想的な雰囲気の中を一人歩く。
いかんせん、この時点で16時近くだったので、延暦寺の閉門時間が16:30ということもあって、急いで東塔でお伺いしたい場所に移動しようとするも、やっぱり外せない場所へと向かう。
この日は結構歩いていたので、正直この時点では疲れていたので石段を登ることに対して躊躇してしまったけれども、今度は何時来れるのか分からなかったので、最後の力を振り絞って石段を登る。
戒壇院
こちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただいた。
そして、前回宮崎奕保禅師様のお言葉を発見して、涙してしまった大講堂へとお伺いして、宮崎奕保禅師様のお言葉を拝見させていただき、再び涙する自分。
大講堂
前回は真昼間の参拝客の多い時間にお伺いした。
その時もいいところだなぁとは思ったけれども、閉門前の人のほとんど居ない時間帯の東塔エリアは、全く違った表情を見せていた。
今回の比叡山の訪問の最後の地は、根本中堂。
根本中堂
辺りは、とても荘厳な雰囲気に満ち溢れ
お堂の中に入ると、やはり祈りの力というものをひしひしと感じることが出来た。
自然というのは、本当に美しく、そして、厳しいということを、雨の降りしきる比叡山にお伺いしたことで、改めて実感出来た。
前日の京都市内の喧噪から逃れるように訪れた比叡山延暦寺だったけれども、やはり今回もお伺い出来てとても良かったと思えた。
人は意図していなくても、呼ばれる時には、呼ばれる場所に強制的に訪れるようになっているのではないのかしらん、なんて思ってしまったのも事実でして。。。
比叡山延暦寺を後にして、坂本ケーブル駅まで戻る。
ケーブル駅までの道も数メートル先が見えない程ガスっていた。
そんな中、他に誰も居ないところを歩いていると、本当に夢の中を歩いているような気分になった。