左甚五郎作 龍の彫刻/閼伽井屋そして熊野権現社~三井寺

金堂でお参りした後、閼伽井屋に向かう。

閼伽井屋

三井寺の名称が生まれた霊泉閼伽井屋の正面には、左甚五郎作と伝えられる龍の彫刻がある。

むかしこの龍が夜な夜な琵琶湖に出て暴れたために、困った甚五郎が自ら龍の目玉に五寸釘を打ち込み静めたと伝えられている、とのこと。

パワースポットの本では、閼伽井屋が「運気の定着率が高まる三井寺の開運スポット」と紹介されているので、そういうものを求めた人の気が落ちているのではないかと思ったけれども、私がお伺いした際にはそういった類のものは感じられず、さらっとしていた。

そして近くにお社があったのでお参りさせていただく。

熊野権現社

三井寺にお伺いするまですっかり忘れていたのだけれども、三井寺は修験道の地である。

金峯山寺長臈である田中利典様の著書『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』によれば

山林修験者たちによって組織された仏教系の修験道は、やがて二つの流れとなりました。

一つは「本山派修験」です。天台密教や法華思想を教義の基盤とし、熊野修験を拠点に、大津の三井寺や京都の聖護院がその中心になります。

もう一つは、「当山派修験」です。理源大師聖法を祖に、真言密教を教義の基盤としています。東大寺や興福寺など南都の寺を系譜に発展し、後に京都の醍醐寺三宝院の傘下にまとまられます。

この両派が近世には全国の修験道を統括し、主流となります。

そして、もう一つ、私のいる吉野金峯山という中心地があります。役行者ゆかりの地である吉野金峯山は、両派がともに修行に集う場所であり、修験道の発展を支える根本聖地として栄えたのです。

~『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』より引用

と三井寺が熊野修験を拠点とした本山派修験の中心というお寺ということを考えれば、熊野権現社がこちらにあるということは至極当然ということでして。

*ちなみにこの『体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)』、修験道について分かりやすく書かれているのでお勧めです。

直感で行かなくては、と思っていた場所は、やはり行くだけで様々な気付きがあるものだ。

昔は神社仏閣にお伺いする前に、その神社仏閣にはどんな歴史があり、どんな神様や仏様がいらっしゃるのか、など、下調べしないでお伺いするということは神様仏様に対して失礼だと思ったり、その他にも自分の中でのルールに縛られてガチガチの態勢でお参りしていた。

けれども、そんなガチガチの精神状態では、得られることも、そして気付きも少なかったということを、最近なんとなく感じる。

体を使って心をおさめる 修験道入門 (集英社新書)

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