西塔から東塔へと戻る。
そして久方ぶりに東塔と阿弥陀堂にお伺いさせていただき、こちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただいた。
御朱印を頂戴し、根本中堂へと向かう。
そしてこれまた久しぶりに戒壇院にお伺いしてお参りさせていただいた。
この時点で14:30過ぎ位だったので、東塔エリアの巡拝時間16:30までは時間があると思い、ゆっくり東塔エリアのお堂を巡ろうと思っていた。
そして根本中堂にお伺いした。
根本中堂にお伺いすると、参拝客は誰も居なかった。
これほどまでに人の居ない根本中堂は初めてだったので、心ゆくまで薬師如来様にお参りさせていただくことが出来た。そして「不滅の法灯」の炎から発せられる光に、人々の祈りの深さというものを感じている自分が居た。
そして根本中堂を後にしようとしたら、お坊さんが根本中堂の扉の前にいらっしゃり、何でも降雪が激しいので、この日は15時で閉堂するとのこと。私が根本中堂を後にしようとしていたのは15時をちょっと過ぎた時間だったので、私のお参りが済むまでお待ちいただいていたのだと気付き、恐縮してしまうと同時に、お参りしている私に今日は15時で閉めます云々と一切おっしゃられなかった事に対して感謝するしかなかった。
お帰りは大丈夫ですか?と尋ねられたので、延暦寺会館に宿泊しているので大丈夫です、と告げる。そのお心使いに本当に感謝の念で一杯になった。
そして延暦寺会館に戻る。
今回安いプランを予約していたのだれけれども、御厚意でアップグレードしていただけた。
一人旅には勿体ない位の広いお部屋。
バストイレは別々で、こちらが宿坊だとは思えない位、設備は下手なホテルよりも良いものだった。
お部屋に置かれていたお菓子も美味しかったです。
そして早めに夕食をいただいた訳だけれども、延暦寺会館の精進料理はとても美味しい。
以前延暦寺会館の「喫茶れいほう」で精進サンドセットなるものをいただいた際にも、精進料理とは思えない位美味しかった記憶があるのだけれども、こちらの夕食も精進料理とは思えない程美味しかった。
湯葉のお刺身は口の中でとろける旨味が絶妙だったし、この蒲焼もどき(?)の美味しさと言ったら、とても精進料理とは思えない程だった。
お食事の美味しさに満足して、部屋に戻り、そしてせっかくなので大浴場でお風呂をいただく。お風呂も宿泊客が少ないせいか、貸し切り状態で堪能することが出来てとても贅沢な時間を過ごさせて頂いた。
再び部屋に戻り、寝る前に釈迦堂で購入した本『回峰行の祖 相応さん』という本を読んだ。回峰行の概要を掴むにはとても良い本で、上原行照師・釜堀浩元師の両阿闍梨の語る千日回峰行、解説も収録されていた。
この本の中で上原行照様が師匠である叡南覚照様から受けたアドバイス「憐みを買う行者になるな」という言葉にいたく感銘を受けた。
お堂の拝観時間が短くなってしまったことで、自ら動くという時間は少なくなったけれども、その分、この比叡山という聖地で、いろいろと内省する時間を持つことが出来た。
そして情報を減らすことで、己の魂の声を聴くということが出来たと思えた時間だった。
やはり比叡山は聖地だと言うことで、今回も御多分に漏れず眠気に襲われて、21時前には就寝。
翌朝5時に目覚めて身支度を整え、7時から始まる根本中堂のお勤めに参列させていただいた。
そしてお勤め後にこれまた精進料理とは思えない程の美味しい朝食をいただいた。
↑お鍋な中身はフラッシュで良く見えないのですが、湯豆腐です(これも身体が温まってとても美味しゅうございました)
比叡山延暦寺のHPを見ると延暦寺会館前というのは、とても需要なところだということに気付いた。
正覚院不動(延暦寺会館前)
東塔東谷において「灌頂(かんじょう)」という天台密教における重要な儀式を行う道場でした。
現在はその跡地に延暦寺会館が建てられ、その前に正覚院に祀られていた不動尊を安置し、ご参拝、ご宿泊の皆様の旅行安全・厄難消除の不動尊として信仰されております。~比叡山延暦寺 HPより引用
比叡山にお伺いする度、一度は宿泊したいと思っていた延暦寺会館ですが、その期待通りに素敵な時間を過ごせた良いお宿でした。