次に目指したのは、不忍池辯天堂。
お盆の時期だったということもあるけれど、それにしても人が多い？と思いながら歩いていたら、ほとんどの人はスマホの画面に見入りながら歩いていた。。。
私はポケモンGoというものをやっていないので、全然知らなかったのだけれども、上野の不忍池はポケモンGoのレアポケモンなるものがGet出来るということで、人が集まってきているということを、後ほどググって知った。。。
普段神社仏閣めぐりをしている者として、このポケモンGoなるものがリリースされた時に懸念していたのは、聖地であるはずの神社仏閣に、このポケモンGoでポケモンをゲットする為だけに、参拝客ではない人々が大挙するのではないか？ということ。そして、有名神社仏閣では、そういった事態を想定して、事前にポケモンGo禁止というお達しをするところもあったりした。
有名神社仏閣ではしゃぎ騒いでいる外国人観光客にも辟易としたけれども、ポケモンGoでレアポケモンをゲットするためだけに、不忍池に来ていた人々を見ていると、ある種の恐怖感を感じたりした。。。
みんなスマホの画面だけ見て、傍から見ていたら、本当に何かに操られているような集団にしか見えなかったので。。。ネット上でささやかれているポケモンGo洗脳説もあながち否定できないような光景だった。
気を取り直して、参道を歩いて手水で清めようとしたら、手水の前にもポケモンGoユーザーが陣取っていて手水にも近づけなかった。
この状況は何なのよーと思っていたら、参道に並んでいる屋台のおじさんが、お参りする人の邪魔になるでしょ！と一喝して、手水前に居る人々を蹴散らしてくれた。
屋台のおじさんに一礼して、手水で清めさせていただく。
そしてポケモンGoに夢中になっている人々を掻き分けて、やっと弁財天さまの元に辿り着いた。
寛永寺 不忍池辯天堂
お堂に辿り着くと、写真を撮ることに夢中な外国人観光客が数名居る位で、参拝する人は居なかった。。。
こちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただくと、こちらが恐縮する位、えらく喜んで頂けた。
そして御朱印を頂戴した訳だけれども、こんな状況下で御朱印を求める姿などは無かったので、すんなりと御朱印を頂戴出来た訳でして。。。
その後境内を散策しても、やはりポケモンGoの人々ばかり。
大黒天堂にお伺いしても誰も居ない。
大黒天堂
こちらでもお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただくと、これまたえらく喜ばれる。
ホントこの状況どうなってるの？と思いながら歩く。
不忍池には、蓮の花が咲き誇っていた。
私はその美しさに目を奪われていたけれども、ポケモンGoに夢中になっている人々には、そんな美しさは目に入っていない様子だった。
そして、不忍池には聖天島というところがある。
聖天島
こちらの聖天島は、開放日が決まっているので、普段は施錠されているため近くまで行ってお参りすることは出来ない。
なので、門の外から、こちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただくと、これまたえらく喜ばれたので、ホントにこの状況はどうなっているのだろうと思ってしまった位だった。。。
この地に来ても、お参りもせずに通り過ぎて行く人々の多さに、神様や仏様はお嘆きになっているということを、ありありと感じてしまった訳でして。。。
ちなみにこの聖天島については、加門七海さんの著書にもしっかり記されていて、
弁天堂の右横に突き出た島には、縁結びの神とひて、超人気の聖天サマがいらっしゃる。
しかも、このお堂の背後には、後ろから見ると、男性●の形をしている「役行者」の石像なども立っているのだ。
～うわさの神仏〈其ノ3〉江戸TOKYO陰陽百景 (集英社文庫) より引用
ということで、機会があれば近くでお参りさせていただければなぁと思ったりしている。
そういえば、弁天堂近くにはこんな貼り紙もあった。
私がお伺いしたのは、2016年８月14日だったけれども、今日ググって調べたら、もっと厳しい文面になっていたことを知る（【ポケモンGO】「飲酒・飲食・喫煙行為は刑法に触れる」 上野公園・不忍弁天堂がトレーナーに通告書）
ポケモントレーナーと言われている人々を掻き分けて、上野公園方面へと戻る。
参道脇には美しい蓮の花が咲き誇っていた。
ポケモントレーナーの人々は、この美しさには気付かず、ひたすら目の前のスマホの画面を見続けている。
このポケモントレーナーの人々の姿を見て、人間というものは目の世界だけが己の世界だと思い、その狭い世界にだけ夢中になって、自分を取り囲んでいる素晴らしいものに気付かないまま、人生を終えていくのかも知れない、なんて、思ってしまった自分が居た。
まぁ、どういう風に生きるのかはその人自身の選択なので、私が口を挟む問題ではないと思うけれども、私は自分の大切な人生の時間を、ポケモンなんちゃらに費やす気は全く無い。
いつまでも生きていられると思っているかも知れないけれども、実は、生きている時間って、限られているんだよね。
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