深大寺にお伺いすることがあれば、行きたいと思っていた神社を目指す。
不動の滝近くに多聞院坂という坂があるので、この坂を登る(実際には石段ですが)
なんで青渭神社に行きたかったのかと言えば、以前沖縄の神様について知りたくて調べていたら『神に追われて』と言う本に巡り合った。この著者の谷川健一先生は民俗学の先生なので、様々な著書があるのだけれども、民俗学について知りたくて谷川先生の本を読んでいた。その中の一冊『日本の神々―神社と聖地〈11〉関東』という本(←というよりむしろ事典の様な情報量だったりする)を読んでいた際に、青渭神社の項目があった。
『神に追われて』については、ブログに感想を書こうかとも思ったけれども、ちょっとヘビー過ぎるので、まだ時期尚早かと思い、書けていない。
『日本の神々―神社と聖地〈11〉関東』の中では、青渭神社についてこういった記述があった。
『延喜式』神名帳の「武蔵国多摩群八座」のなかの「青渭神社」について、現在、調布市深大寺、稲城市東青沼、そして青梅市沢井の三社が論社となっており、このうちどれが該当社であるかは緒論があって確定していない。
調布市のそれは、深大寺の東方約100メートルほどの寺域内にあり、眼下を流れるの野川の一枝流の谷戸にのぞんで鎮座している。その谷戸の先端にはかつて池があったと伝えられるが今はない。しかし弥生的水田耕作に適した土地であったことは、この地に弥生遺跡があることからも十分に推定できる。しかも台地の粘土層から清冽な湧水が豊富に流れており、深大寺縁起が示すように聖泉にかかわる地であったことをうかがわせる。
~中略~
ところで、これまで述べた三つの論社はいずれも湧水と関連し、かつ「青」の名を共有している。「青」はこの場合、おそらく湧水の清冽さと豊かさを讃える聖なる語であろう。「青井」はすなわち「聖なる泉」=「真名井」であり、いうまでもなく、こうした「真名井」を信仰する習俗は今日なお日本の各地に根強く残っているが、この沢井の青渭神社は、おそらく稲作農耕とともにもたらされた最も古態な信仰の姿をとどめているものと考えられる。
~『日本の神々―神社と聖地〈11〉関東』より引用
ということで、この本の中では深大寺の青渭神社は『延喜式』神名帳の「武蔵国多摩群八座」のなかの「青渭神社」ではないような表現で書かれているけれども、論じられている三社のうちの一社ということだったので、是非とも機会があればお伺いしたかったのです。
そして青渭神社に到着すると、まず目に飛び込んできたのがケヤキだった。
青渭神社のケヤキ
すごいものがあるなぁと思いつつ、鳥居を潜ってみた。
青渭神社
狛犬さんたちにもご挨拶して
手水で清めようと思ったら、お水が無かった。。。
まぁ深大寺の手水で清めたから良いか、と思い、拝殿でこちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただいた。
御祭神は水波能賣大神さまと青沼押比賣命さまということで、水に関係している神様だったりする。
深大寺の北東に位置するこの神社は深大寺と深い関係があったようで、江戸時代頃までは深沙堂の神事を行なっていた記録も残っています。
創建年月は不明ですが、3000年~4000年前先住民が水を求め居住した際、生活に欠くことのできない水を尊びほこらを建て水神様を祀ったと伝えられています。
御祭神は水波能賣大神(みずはのめのおおかみ)・青沼押比賣命(あおぬまおしひめのみこと)・一説には社前大池に棲む大蛇を祀ったとも言われています。
神社明細帳等によれば、青渭神社は第六十代醍醐天皇の延長五年(927年)に編纂された「延喜式(えんぎしき」所載、武蔵國多摩郡八座の内にて、官祭の重き御社であったと伝えられています。
古くは社前に五町歩余の境内地があり、大池にこんこんと湧き水があり、青波をたたえていた所から青波天神社とも称されていました。池水は干ばつの折にも枯れる事はなく、農業用水に用いられたとも言われています。
周辺は武蔵野文化発祥の地であり、清水の湧き出る所、人々の生活と密接な関連が合ったと考えられます。「青渭」「青波」共に水の意であり、「渭」とは広遠に波立つ様を言い、水面に打ち寄せる意味で、水神様を祀った古社である事は疑う事はできません。
明治6年12月郷社(ごうしゃ)に列せられました。
深大寺 観光ガイドより引用
ということなんだけれども、今回お参りさせていただいて「水」を感じることが出来なかった。。。かつてあったという池がなくなってしまったことも関係しているのかも知れないけれども(個人的な感想なのであしからずー)
そして社務所に向かうと、誰も居なくって本日は御朱印を受けることができませんと書かれた案内があった。
まぁ縁が無かったということなんでしょうね(笑)
そして深大寺方面に戻って、ちょっと小腹が空いたので、鬼太郎茶屋でじゃころっけなるものを購入した。
水木しげる先生の故郷である、鳥取県境港市で水揚げされた「ちりめんじゃこ」を具と衣に入れたコロッケということで、調布で境港のものが食べられるとは思わなかったけれども、美味しくいただいた。
そして鬼太郎茶屋を覗いて、プチ観光気分を味わう。
新宿から1時間もかからない場所にあるのに、なんだか時間の流れ方が都心とは違うなぁと、のんびりした気分になって、深大寺を後にした。
ここには、まだ妖怪さんたちが住める環境が残されているのかも知れない、ナンテ思いつつ。
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