東京国立博物館で開催されている「栄西と建仁寺」展に行ってきました。
2014年は、日本に禅宗(臨済宗)を広め、京都最古の禅寺「建仁寺」を開創した栄西禅師(1141~1215)の800年遠忌にあたるということで、これにあわせ、栄西禅師ならびに建仁寺ゆかりの宝物を一堂に集めた展覧会が東京国立博物館で開催されています。
チケットは当日券で¥1,600也~。
桜も散り始めてます。
本館は後で見学しようと、いそいそと平成館へ。
平成館の中に入ります~。
今回、栄西禅師ゆかりの宝物が一挙公開されるということもあったけれど、音声ガイドのスペシャル・ナビゲーターが私の好きな中谷美紀さんだったので、これも楽しみにしていたのでした。
~栄西と建仁寺チラシより
入口で音声ガイド代¥515を支払い、音声ガイドと共に鑑賞スタート。
ブログなどでチェックしたら、そんなに混雑していないという事だったけれど、4月8日からは尾形光琳の「風神雷神図屏風」も本館で展示されることもあってか?平日なのに結構人がいるように感じました。
出品目録は栄西と建仁寺展のHPでも確認出来ますが、五つの章に分かれていました。
序章 禅院の茶
建仁寺の方丈四頭茶会の空間を会場に再現、ということで、建仁寺から四頭茶道具一式が出陳されています。博物館の中に居るのに、この空間を見つめているとお寺にいるような気分になりました。音声ガイドでナビゲートする、中谷美紀さんの声がこれまた荘厳な雰囲気と不思議とマッチして、凛とした清涼感を感じるのでした。
~栄西と建仁寺チラシより
第1章 栄西の足跡
こちらでは、栄西禅師の足跡を見る事が出来ます。栄西禅師は吉備津神社の権禰宜の子として誕生したという事を知らなかったので、会場でこの文章を発見した時の驚きと言ったら、、、また、14歳で比叡山延暦寺にて出家という事で、そういえば私、まだ比叡山にはお伺いしていないなぁ、と思ってしまった。
また栄西禅師と福岡という土地も深く関わりがあり、福岡の誓願寺所蔵の「誓願寺建立縁起」などもこの展覧会では見る事が出来ます(福岡も先日行ってからというもの、気になる土地なのです)栄西禅師はとても達筆。まわりの年配の御婦人方が「私もこれくらい綺麗に書きたい」とぼやいていたのが聞こえてきたりして(笑)
また「茶は養生の仙薬なり…」で有名な『喫茶養生記』や、『明庵栄西坐像』なども見られます。
禅宗が当時他宗を脅かす存在として禅宗停止が宣下されるなどされた事は、本を読んで知っているつもりだったけれど、『興禅護国論』など、その当時に書かれたものを目の当たりにすると、途端にリアリティが増す事を知ったのでした。
何となくお抹茶を頂きたいような気分になりつつ、次の展示へ(笑)
第2章 建仁寺ゆかりの僧たち
ここは不思議なところでした。
建仁寺ゆかりの僧の像や自賛が沢山あった。特に像に関しては、一つ一つ見ていると、逆に見られているような気分になるのです。。。今回の展覧会の事前調査で『蘭渓道隆坐像』内部に、肖像彫刻の頭部前面が納入されていることが新たに発見されたということで、その像も見たのだけれど、御多分に漏れず見られているような気が、、、
これは目の部分に水晶を使っているからだと思うけれど、水晶ってやっぱり何かあるよなぁ、、、と思いつつ、次の展示へ。
第3章 近世の建仁寺
ここでは『雪梅雄鶏図』や『雲龍図』などが見られます。
『雪梅雄鶏図』は音声ガイドでどのような手法で描かれているか説明があったので、この鶏さんの光沢はそういう風にして出来ているんだ、と感心しながらの鑑賞。
~栄西と建仁寺チラシより
そして私は龍が大好きなので『雲龍図』を見る事をとても楽しみにしていました。実物は白と黒だけで表現されている世界なのに、龍は生きていて、今にもガラスを突き破って飛び出してきそうな迫力を感じました。この世界観に圧倒されながらも、しばらくこの前で見ていました。
ちなみに『雲龍図』、4/22~5/6は全8幅公開との事です。(3/25~5/6は左4幅、4/22~5/18は右4幅で公開)
~栄西と建仁寺チラシより
第4章 建仁寺ゆかりの名宝
音声ガイドのスペシャルトラック「曼荼羅の世界へご案内」で『珍皇寺参詣曼荼羅図』&『熊野観心十界曼荼羅』についての説明がありました。
私が小学生の頃、お寺の子供と仲良しで、そのお友達の家であるお寺にしょっちゅう遊びに行っていました。そしていつも何故か客間のようなところで遊んでいたのだけれど、客間の掛け軸が「地獄絵図」で(笑)、お友達がお手洗いなどに行ってしまって、一人でその客間に居る間、地獄絵図から何かが漂ってくるような気がして、いつも恐れおののいていた記憶がよみがえってきたのでした(爆)
曼荼羅の世界で過去の記憶がフラッシュバックしたところで、気を取り直して次に見た物は『小野篁・冥官・獄卒立像』(爆)
冥界の役人だったという伝説が残る、小野篁の像ですよ(笑)人間でありながら、閻魔大王の裁判の手伝いをしていたという話がある人の像って、、、と思いつつ、像を見ると両側に冥官と獄卒を従えて、これまた見られているような気がして、気が気じゃなかったわーと。悪い事していないのに、警察署の前を通るとドキドキしてしまうような、あんなカンジです(笑)
そして最後に『風神雷神図屏風』を見て安心した(笑)
~栄西と建仁寺チラシより
全て見終えて、音声ガイドを返却して図録を購入しようかどうか迷う。単品だと¥2,600(税込)、特製トートバッグは単品で¥700(税抜き)、図録とセットだとトートバッグは¥500(税抜き)ということで、しばらく悩んだけれど、悩むなら買うなということよね、と思い、龍のポストカード類だけ購入。(ちなみにトートバッグは黒布で金色の風神雷神が描かれているものでした)
そして平成館を後にして、本館へ。
国立博物館の本館って明治時代を彷彿とさせるレトロ感がたまらない。
意外にも国立博物館は写真撮影が部分的に認められているのです。
総合文化展については、個人利用にかぎって写真撮影ができます。ただし、撮影禁止 マークのついている作品は、所蔵者の意向により撮影をお断りしています。 また、一脚、 三脚などの使用とフラッシュの使用はできません。
~国立博物館HPより
なので、ちょっと写真も撮ってみた。
そしてお目当ての尾形光琳の「風神雷神図屏風」を見た。
「栄西と建仁寺」展はとても楽しめました。東京に居ながらにして、建仁寺ゆかりの御宝が沢山見られる滅多に無いチャンスですし、私のように仏教に関する知識がそんなにない人でも楽しめるので、おすすめします~♪
ちなみにレキシさんの『姫君Shake! feat. 齋藤摩羅衛門』PVは国立博物館本館で撮影されてます(笑)