福を招くかや@朝護孫子寺本堂

我が国の諸天信仰としては最も古く、聖徳太子が政敵である物部守屋を討つ祭、四天王を祈念して勝利を得たというが、この四天王の上首が毘沙門天であり、太子は戦勝を感謝して二つの寺を建立した。大阪の四天王寺(和宗総本山)と奈良の朝護孫子寺(信貴山真言宗総本山)がそれであるという。とりわけ朝護孫子寺は毘沙門天を本尊とし世に信貴山の毘沙門天として、鞍馬寺(鞍馬弘教総本山)の毘沙門天と並び有名である。

~『天部信仰読本』より引用

京都の鞍馬寺、奈良の朝護孫子寺、京都山科の毘沙門堂を「毘沙門天の三大霊場」とする場合があるということを鑑みると、今回朝護孫子寺にお伺いしたことで、毘沙門天の三大霊場に全てお参りさせていただくことが出来たこととなる。

全く意図しなかったお参りだったけれども、今回信貴山にお伺いして感じたのは祈りの力が非常に強い場所であるということだった。

千手院から本堂へ向かう。

石段を登ると、この季節特有のさらさらした気を含んだ風が吹き、初夏を感じることが出来た。

本堂に到着すると、大般若祈祷が響いていた。

その迫力ある読経は、それを耳にするだけで全ての禍事が消し去ってしまうのではないかと思われる程だった。

本堂に入ると、毘沙門天王の奥秘仏が拝観出来るということで、受付で拝観料を支払い、御札をいただき内陣で少し待った後に、奥秘仏の毘沙門天様にお参りすることが出来た。

●4月1日〜17日 9時〜16時
奥秘仏 毘沙門天王像御開帳
(3回目)
場所:本堂
12年に一度の秘法結縁
毘沙門天王の奥秘仏は12年に一度の寅年大法会期に限り開帳され、御開帳期間だけの特別なお札が、御祈祷申込者または一般拝尊者に授与されます。
朝護孫子寺HPより引用

これも何かのご縁なのだろうと思いつつ。

その後、戒壇巡りをさせていただく。

真っ暗な回廊を進み、宝珠を納める錠前に触れると心願成就のご利益が大変あらたかということ。

昔、高野山で結縁灌頂をさせていただいた際にも感じたのだけれども、暗い中でこれから何があるのか分からない状態で歩みを進めると言う行為は、生を受ける瞬間と同じような感覚がある。

暗い中から明るい場所へ出た瞬間に感じる安堵感。

それが命を与えられているということ。

戒壇巡りを終えた後に受付を見ると、かやの実というものが頒布されている事に気付き、とても気になったのでひとついただいた。

これは霊験あらたかなもので、家に戻ってから近所でトラブルがあった翌朝に一粒火に焼いたら、翌日以降近所トラブルが収まった。

これを偶然とみるかどうかは判断に任せるけれども、私としては偶然にしても、ね、という気持ちが大きい。

人間社会でも優れた人は、自分の専門分野以外のことを相談された際には、自身が持っているネットワークの中で、その問題に対処できる人を紹介してくれるように、神仏もその問題に対処できる適切な所へと導いてくれるのではないかと感じてしまった程で。。。

本堂を後にして舞台に出る。

朱塗りの欄干が大和平野の眺望と相まってとても美しい。

佇んでいるだけで、嫌なものが吹き飛ばされるような清々しい風が吹いていた。

信貴山はとても風を感じる場所だと思いながら本堂を後にし、国宝「信貴山縁起絵巻」第1巻が公開されていた霊宝館にもお伺いして

次の場所へと向かった。

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