安井金比羅宮から次に向かった場所は建仁寺。
以前東京の国立博物館に『開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」 』を見に行ったこともあって、京都に行ったら是非とも一回は訪れたいと思っていた。
早速境内に入り、まずは本坊にお伺いして拝観料を支払い中に入る。
建仁寺は京都最古の禅寺ということだけれども、何とお寺の中の写真撮影はOKということだった。
まず目に飛び込んでくるのが風神雷神図屏風。
風神雷神図屏風
デジタル複製ということだったけれども、お寺の中で見るのと、博物館で見るのは全く違ったものに感じた。
そして順路に従って歩いていくと、こちらに差し掛かる。
○△□乃庭
単純な三つの図形は宇宙の根源的形態を示し、禅宗の四大思想(地水火風)を、地(□)、水(○)、火(△)で象徴したものと言われているそう。
そして更に歩みを進めていくと、京都のお寺らしい美しい光景。
私が訪れたのはお昼が近い時間帯ということもあって、参拝客は多かったのだけれども、この空間に誰も居なかったらさぞかし素敵だろうなぁ、と思いながら歩いていた。
途中参拝客が居なくなる瞬間などもあり、そういった瞬間にお庭などを見つめると、自分もこの宇宙を支えている一つの大切な存在なのではないかしらん?などと思えたり。。。
そして私が大好きな龍の描かれている襖を発見して、思わず写真を撮りまくった(笑)
雲龍図
そしてこちら「方丈」にお祀りされている十一面観音様に、こちらにお招き頂いたことに感謝してお参りさせていただいた。
観音様はいつもお優しい。
方丈前の庭園の美しさも素晴らしかった。しばしこちらでお庭を眺めながらぼーっとしていた。
そしてお抹茶がいただけると言う案内を見たので、フラフラとそちらの方に行ってみると
そこには清涼軒と言う茶室があった。
清涼軒
先客が居たけれども、私がこちらに入ると交代するような格好で、茶室を後にされた。
なので、こちらで一人っきりでお抹茶をいただくということになった。
対応していただいた女性の方は、とても物腰が柔らかく、その腰の低さにこちらが恐縮してしまうほどだった。
お抹茶が来るまで、しばし茶室内を眺める。
建仁寺を開いた栄西禅師様が、中国から茶種を持ち帰って日本において栽培を奨励し、喫茶の法を普及された事ということで、そのお寺でお抹茶がいただけるということは、とても贅沢だなぁと思った。
祇園界隈の喧噪とは離れた、清涼軒でお抹茶をいただいていると、様々な感情がスーッと流れて行き、落ち着いた気分になってきた。
京都の、それも祇園のど真ん中にある場所で、こういった気分になれるとは思っていなかったので、自分自身のその心境に驚きつつも、この空間というものを楽しんだ。
こちら清涼軒の隣にあったのが東陽坊。
東陽坊
草庵式二帖台目席。
天正十五年(1587)に豊臣秀吉が催した北野大茶会で、利休の高弟・真如堂東陽坊長盛が担当した副席と伝えられています。
二帖台目席でもっとも規範的な茶室とされ、茶室の西側には当寺の名物「建仁寺垣」が設けられています。
と建仁寺のパンフレットには書かれていた。
そして、すっかり落ち着いた心となって、法堂へと歩みを進めた。