永平寺白山神社を後にして、永平寺川沿いを歩く。
歩いている人の姿は無く、ただ雨がしとしとと降る中、黙々と歩く。
この誰も居ない状況の中で、一人歩くという行為が、この時の私には必要な時間だったと今更ながら思えたりした。
私が今、生活をしている東京というところは、良くも悪くも欲望にまみれたところだから、自分というものをしっかりと持っていないと流されてしまう場所でもある。そして自分というものを確立させていないと、ただ周りに同調するように生きてしまい、自分の信念を貫き通せないまま、ああすればよかった、だの、こうすればもっと良くなったのに、と後悔する人生を送ってしまうのではないか、と思いながら歩いていた。
結局、自分がその周りに流されている状況の最中だったのだと気付く。
川沿いを歩いていると、橋があったので渡ってみた。
そこには道元禅師様の歌碑があった。
道元禅師歌碑
道元禅師歌碑
門前の下馬先から本山龍門前までの間を散策すると、ところどころに和歌を刻んだ石碑を見つけることができます。これらの歌碑は1995年に永平寺町観光協同組合が建立したもので、全9基あります。刻まれた歌は道元禅師さまが詠まれたとされる和歌を集めた「傘松道詠」から選出。執筆は福井県の書家・中島牧泉氏です。 9つの歌碑を見つけながら、道元禅師さまが詠まれた歌の情景を思い浮かべて門前の街並みをぶらりと歩いてみるのも一興です。
~禅の里まちづくり委員会 HPより引用
そして、その傍には柏樹庵。
柏樹庵
門前柏樹庵
1716年(享保元年)、門前大工村の宮大工・玄現左エ門(くろげんえもん)によって建立されました。1827年(文政10年)に現在の場所に移り、先代までは尼僧が住職を務めていました。 門前柏樹庵では、参拝客を対象とした一文字写経を行っています。266文字の般若心経を一人一文字書き、書かれた文字は一綴りにし、永平寺境内の報恩塔(納経塔)に奉納します。どなたでも参加できますので、お気軽に体験してみてください。
※一文字写経/毎週日曜日13:00〜15:00 費用:700円
~禅の里まちづくり委員会 HPより引用
この日は日曜日ではなかったので、人の居る気配はしなかった。
そして永平寺の龍門近くにある山頭火歌碑を発見。
山頭火歌碑
生死の中の雪降りしきる
この雪景色の永平寺の中で見た歌碑にえらく感動してしまった。
本当に永平寺は美しい。
永平寺の美しさは、ギラギラ、ゴテゴテした人工の美しさとは全く違った、自然そのものの美しさで、宮崎禅師様が自然は偉いとおっしゃっていたことをふと思い出した。
誰に褒められる訳でも無く、自分のやることをやって、去って行くという姿。
その姿が、この世の中で一番美しいものなのではないかと改めて思い知った訳でして。。。
そして前回利用したバスツアーでは、時間が無くてお伺い出来なかった金毘羅社・天照大神宮・湧泉稲荷方面へと向かう為に洗清橋を渡る。
洗清橋
小さな滝があったりして、とても素敵。
高浜虚子・熊澤泰禅・伊藤柏翠の歌碑
そして雪に包まれた金毘羅社に到着した。
金毘羅社
天照大神宮
湧泉稲荷
前回これらのお社にお伺い出来なかったことが、非常に心残りだったので、今回お参りさせていただけたことがとても嬉しかった。
ただ、湧泉稲荷には斎藤●人の千社札が貼ってあってちょっとゲンナリした、、、私この人はあまり好きではないものなので、、、
気を取り直して偃月橋を渡る。
そして、永平寺といえばこの風景とも言える唐門に差し掛かる。
唐門
この門は、新たに任命された住職だけが正式に入山するときに開かれる門ということで、私が尊敬してやまない宮崎禅師様も、こちらの門を通られたのだと思うと感慨深いものがあった。
そして、今回永平寺に来た最大の目的であるところへと向かった。