宿坊を出る時に、雨が降っていたので、手持ちの折りたたみ傘を広げたら、偶然通りかかった宿坊のお坊さんから「宿坊の大きい傘を使ってください」とお声掛けいただいた。
傘を受け取り、その傘を広げると、とても大きな傘で、こういうさりげない気づかいを受けられるのが、高野山の良いところだよな、と思いつつ、金峯山寺へ急ぐ。
夜18時台になると、昼間の喧噪とは違った雰囲気。
手水にも人が居ないよ。
境内に入ると、蟠龍庭夜間特別拝観目当ての人が結構居た。
そして報恩法会待ちの人も居た。
18:30になったので、金峯山寺内に入る。
持仏間でこちらにお招き頂いたことに感謝してお参りさせていただく。
何故か単純にうれしかった。
そして歩みを進めると、素敵な光景が。
夜18:30ということで、まだそんなに暗くなっていなかったけれども、それでも、この雰囲気。
高野山に宿泊していなかったら、この雰囲気は味わえなかったのだと思うと、感慨もひとしおでして。
蟠龍庭
こちらも日中の喧噪とは違って、本来の金剛峯寺の姿を垣間見たような気がした。
人が少ないお寺というのは、ドキドキしてしまう。
すごく、素敵な雰囲気。
そして19:00前に大広間へ行き、報恩法会に参列させていただいた。
大広間というのは、重要な儀式や法会が行われるところで、普段は一般人は立ち入り出来ないところだけれども、この報恩法会には一般人でも参列出来たのだった。
5月3日の報恩法会に参列させていただけた、ということは、とてもありがたいことだった。
報恩法会が終了したので、金峯山寺を後にする。
外はもう真っ暗。
出来ればもう一泊して、夜の金峯山寺をくまなく堪能したかったな、というのが正直なところだったけれども、蟠龍庭夜間特別拝観は、2015年の10月17日、18日、24日、25日、31日。11月1日、2日、3日、7日、8日、14日、15日にも開催されるとチラシを見て知ったので、その時期に合わせて、また高野山にお伺いするのも良いのかな、なんてぼんやりと思ったりした。
宿坊で借りた傘を広げて、雨の降る高野山を歩いていると、何故か優しい気持ちに包まれている自分に気付いた。