最近、殺伐としているな、と自分自身でも感じる。
仕事が忙しいということは、ありがたいことだとは思うけれども、仕事だけの為に時間を使っているように感じる。
いつもだったら、週末は何はなくとも大掃除するのだけれども、今日は掃除はやめて、身体を休ませることにした。
音楽を聴いて、普段読まないような本を仕入れてきた。
『AQUIRAX CONTACT ぼくが誘惑された表現者たち』という本を読む。
宇野 亞喜良がコンタクトした異能のアーティストたち
ちょっと奇妙な香辛料、あるいは毒を持って迫りくる
スキャンダル・ギャラリー
と書かれていたけれども、宇野 亞喜良さんが「イラストレーション」誌に連載したものをまとめた本だった。
芸術家やアーティストと呼ばれる人々の作品と、その対談がまとめられた本で、ページをめくると、様々な作品に触れることが出来る。
金子國義さんや四谷シモンさんなど、その手の方が好きな作品もあれば(←私も若い頃は好きでしたー笑)、ラーメンズの片桐さんの作品も掲載されていて、ほう、この人はこういう活動もしているのかぁ、などと思いながら、眺めていたら、一枚の絵に目が釘づけになってしまった。
「終極にある異体の散在」
この絵画一枚で、生と死が物語られているように感じてしまって、しばし呆然としながらこの絵を眺めていた。
そして、この絵を描かれた松井冬子さんという方はどういった方なんだろうと思いググってみたら
この雑誌の表紙になっていらっしゃる人が、松井冬子さんだった。。。
最近ではめったにお目にかからない位の美人で、びっくりしてしまったというのが正直なところ。こんなに綺麗な人が、「終極にある異体の散在」のような絵を描かれているということに衝撃を受けてしまった。
宇野 亞喜良さんとの対談では、興味深いことをおっしゃっていた。
宇野:話が全然絵画と違うんだけど、僕は今芝居の仕事をやっていて時々メイクアップをするんだけれど、俳優さんに描くのが面白い。松井さんお化粧するの好きでしょ。
松井:ええ。絵で言うと、いわゆるアタリを描いている時間がすごく長いので、最後に目や鼻、細部を描くのが一番の楽しみなんです。お化粧はその細部だけをやればいいみたいなところがあるので、楽しいですね。アイシャドーをぼかすとか、毛を一本一本描くとか、グラデーションとか。創造的なインスピレーションはほとんどないけれど、手の技術的なドリルというか復習として化粧をしているところもあります。
宇野:人体はモデルを使って描いているということだけど、出来上がった女性は松井さんに見えますね。
松井:入っちゃうんですね、やっぱり。みなさんそうだと、私は信じているんですけど。自分が持っている形態って、今まで自分が見てきたものにつながってくると思うんです。だからどんな顔を描いても自分の顔に似てきてしまう。ダ・ヴィンチだってきっとモナリザは自分の顔にすごく似ているだろうし。
松井さんの絵画は、好き嫌いが分かれるものだとは思う。
けれども、私は、とても、好きだ。
この世には、美しいものや、醜いものが混在しているけれども、それも見る人の価値観によって一変してしまう。
マクベスの三人の魔女の言葉じゃないけれども、世の中全て「綺麗は汚い 汚いは綺麗」ですからね。
全ては今まで自分が見てきたものにつながって行くという訳で。。。
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