坂本ケーブル駅から比叡山坂本駅まで歩く。
毎回思うのだけれども、坂本というところは、京都市内と比べてもさほど観光客の姿が無いことも相まって、どこか牧歌的な雰囲気を醸し出している。
関西の学生は、どこかのんびりしている、と、知り合いの新卒採用を担当していた人から聞いたことがある。
それが良い事なのか、悪い事なのかはよく分からないけれども、確かに関西圏に来ると、東京で感じるせわしない程の殺伐とした雰囲気に遭遇することは少ない。
まぁ、これは私が余所者だから言えることなのかも知れないけれども。
そして、今回初めて最澄さまがお生まれになったという土地である、生源寺にお伺いした。
比叡山 生源寺
いつもこちらの前を通りかかる度に、お参りしてみたいなぁとは思っていたけれども、何となく敷居が高いような気がして、お参りすることが出来なかった場所だった。
意を決して境内にお邪魔すると
ふんわり優しい気に満ちていた。
伝教大師 産湯の井戸
神護景雲元年(767)八月十八日伝教大師がこの地でお生まれになり、産湯の水を汲まれたのがこの井戸といわれているそうで。
こちらの前に佇むだけで、有難い気持ちになってしまった。
そしてお堂前でお参りさせていただこうと思ったら、親切なお寺の方より、中に入ってお参り下さいとのご案内を受けたので、靴を脱いで、お堂の中にお邪魔した。
そして、御本尊である十一面観音菩薩様にお参りさせていただいたのだけれども、最澄様ゆかりのお寺ということもあってか、とても清浄なものを感じた。
もっと早くこちらにお伺いすれば良かったと思いながらも、やはり神様仏様とのご縁と言うものは、自身がそのレベルに達しなければ、呼ばれることもないのだろうということを、改めて実感してしまった訳でして。
今回の旅は、最澄様に関するところにお伺いすることがメインとなった。
ブログに書ける範囲で書いたけれども、その他にも、お伺いした場所はある。
けれども、その場所については書いてはならないという、神仏との約束があるので、書けない。
縁の無い人々にまで詳細な情報を伝えてしまうと、その場所の効力も無くなってしまうのだろう。
京都に戻り、バスで関西空港へと移動。
今回、伊丹から羽田の便が取れなかったので、関西空港に久々に赴いた訳だけれども、関西空港のラウンジの名前が比叡だったことに改めて気付き
ご利益なのか何故かビジネスクラス仕様の座席が充てがわれ、やっぱり飛行機って快適で最高だなぁと思ってしまった(笑)
今回は最澄様ゆかりの地を巡る、聖地巡礼のような旅だった。
『阿・吽』に影響された部分は確かに大きい。
このマンガで描かれている最澄様の優しくも美しい御心を、現在でも体感出来るそれらの土地は、やはり、言葉では言い表せない程、素晴らしいところだった。