次に進むために断を下す~椿大神社・松下幸之助社&茶室 鈴松庵にお伺いしました

椿岸神社を後にして向かったのは、松下幸之助社だった。

約5年程前にお伺いした際には、好きなことをやってみろと言うメッセージを受けた場所でもある。

途中松下爺が寄進されたという鈴松庵という場所に差し掛かる。

前回お伺いした際には閉まっていたのでお茶をいただくことが出来なかったのだけれども、今回は開いていたので、松下幸之助社にお伺いした後にお伺いすることにした。

そして松下幸之助社に到着した。

松下幸之助社

案内版には

松下社(椿大神社末社)

御祭神 松下幸之助命

生前から「経営の神様」と神格化されるまでに経営手腕を称賛された松下電器産業株式会社の創始者・松下幸之助爺は平成元年四月二十七日、昭和の大御代の終焉に合わせるかのように、惜しまれつつも九十五歳の御齢をこの世の限りと大往生を遂げられた。

松下爺は稀代の発想家であると共に熱心な崇神家・崇信家でもあり、椿大神社にも、昭和四十一年から幾度も参拝を重ねられた。

殊に同年四月より開始された「昭和の大造営」において巨額の造営資金を御寄附され、大造営完遂の牽引力となるとともに「鈴松庵」と名付けられた茶室をも御寄進された。

かのような松下爺の崇敬の真心を末永く後世にまで顕影申し上げるべく、平成十年四月二十七日、帰霊十年目を迎えるに当り、「鈴松庵」東側の斜面を墾り開き、御影石造りの御神殿を設けて椿大神社末社「松下社」として御霊代を奉安申し上げた。

松下爺は幼少の頃より苦労を重ねられる中で、持ち前の忍耐・努力・卓抜な発想・着想を以て身を起こし、一代にして成功を遂げられた立志伝中の人。それは延いては我が国の戦後復興・経済発展、また、国民生活の向上に大きく寄与することとなった。

それにより国家繁栄、業績向上、立身出世、妙案着想の御神徳を発揮される。

と書かれていた。

こちらに再びお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただく。

すると、仕事関係に対する言葉が降りてくる。その言葉は至極当然というべきものでもあると感じたと同時に、果たしてそれで大丈夫なのだろうかという不安のような気持ちが駆け巡ったことも確か。

それは松下爺だからこそ出来たことではないのですか?と言いたくなる気持ち。

そんな気持ちを抱えながらも、いただいた言葉に感謝して、鈴松庵に戻りお茶をいただくことにした。

茶室 鈴松庵

¥800を支払い、鈴松庵の中にお邪魔する。

この日は台風が来ているということもあってか、誰も居なく貸し切り状態でこの茶室を堪能することが出来た。

好きなところに座らせていただき数分すると、お抹茶とお菓子が運ばれてきたので、ご相伴に預かる。

このお菓子の乗ったお皿は記念品として持ちかえることが出来るので¥800という値段もお安いかと思われ。

誰も居ない中、鈴松庵の雰囲気を一人で堪能出来るというとても贅沢な時間を過ごす事が出来た。

静かに過ごすことが出来た故に考えてしまうことは、先ほどの松下幸之助社でのメッセージだった。

果たしてそれが自分に出来ることなのだろうか、と悶々と考え込んでしまったというのが正直なところだったし、この旅の間でもそれが果たして正解なのかどうかということは、はっきり言って良く分からなかった。

けれども、自宅に戻ってから読んだ松下爺の著書『道をひらく』の中に、松下社で受けたのと同じようなメッセージが書かれていたことを発見した。

断を下す

ひとすじの道をひとすじに、ひたすら歩むということは、これもまたなかなか容易ではないけれど、東と西に道がわかれて、それがまた北と南にわかれて、わかれにわかれた道をさぐりさぐり歩むということは、これも全く容易ではない。

そうしようか、どちらに進もうか、あれこれととまどい、思い悩んでも、とまどい悩むだけではたた立ちすくむだけ。

自分ひとりなら、長い道程、時に立ちすくむこともよかろうが、たくさんの人があとにつづいて、たくさんの人がその道に行き悩んでいるとしたら、わかれた道を前にして、容易でないとグチばかりこぼしてもいられない。

進むもよし、とどまるもよし。要はます断を下すことである。みずから断を下すことである。それが最善の道であるかどうかは、神ならぬ身、はかり知れないものがあるにしても、断を下さないことが、自他共に好ましくないことだけは明らかである。

人生を歩む上において、企業の経営の上において、そしてまた大きくは国家運営の上において、それぞれに今一度、断を下すことの尊さを省みてみたい。

~『道をひらく』より引用

私の手元にある松下爺の唯一の著書が『道をひらく』という本だった。

そのタイトルからは、やはりお導きの神様であられる猿田彦様の事を考えざるを得ないこと、そしてこの本を再び読むことになったのも、猿田彦様お導きなのだろうと思える。

今まさに、次に進むために覚悟を決めて断を下すということを余儀なくされているのだろう。

道をひらく

道をひらく

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