辛酸なめ子さんと竹田恒泰さん共著の『皇室へのソボクなギモン (扶桑社文庫)』を読んでみました。この本、なめ子さんは結構おちゃらけた質問をしているにも関わらず、竹田氏がきちんと答えているので竹田氏に好感が持てたのと、なめ子さんのチャレンジ精神に脱帽(笑)
皇居での内掌典と呼ばれる女性の神職についても分かりやすく書かれていた。
掌典職(しょうてんしょく)というのは、宮中三殿に仕える人のことです。宮中三殿というのは、三種の神器の一つである八咫鏡や歴代天皇の御霊を祀っている場所で、賢所ともいいます。そこは、日本でもっとも神聖な空間といっても差し支えないと思います。掌典職の中でも、内掌典と呼ばれる女性の神職は、その生活がものすごく厳しいのです。
内掌典は、皇居内では四足動物の肉を食べることは許されず、牛乳やバター類も禁止されます。そして特に「穢れ」を避けるためのしきたりは、賢所での動作の基本として徹底されています。これは「次清(つぎきよ)」ともいいます。清らかな状態を「清」、また清らかでない穢れの状態を「次」として、両者は完全に区別されるのです。
この件は、以前『宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして』という、元内掌典の高谷朝子氏の本を読んだ際に詳しく書かれていたので、知ってはいたけれど、この本の言葉が私には丁寧すぎるのか、イマイチ頭に入ってこなかったので、竹田氏の説明は簡潔にまとめられていてわかりやすかった。
あと「まけ」についてもなめ子さんが竹田氏に質問していたのでびっくりした。
ちなみに「まけ」というのは生理の事で、内掌典の方が「まけ」の状態にあるときは、神事にかかわらず静かにしているとの事。私はこの事を知ってから、自分自身が「まけ」の状態の時には、神社の参拝は控えてます。それに、私の場合、行かないほうが良い場所に行こうとすると予定外の「まけ」に突然なってしまったりするので、これも何かのメッセージなんだと思っています。
また、「まけ」の状態の時は、ゆっくり身体を休めなさいという事で、神事に関わらなくてもよいとされている面もあると思うので、「まけ」の状態の時に、神社に参拝するか否は、その人の気持ち次第で良いのでは?と思います。そういった検索ワードでこちらのブログにたどり着く方もいらっしゃるので、念のため。
一番この本で印象に残ったのは、なめ子さんの不思議な体験などはするのですか?という、スピ系女子が最も知りたい質問に、竹田氏が答えた『語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」 (小学館文庫)』という本の準備をしていた頃の話。神武天皇の御陵で起きた出来事が、本当に神様が起こした出来事だ、と思える程迫力に迫っていて、読んでてちょっと震えた。
若かりし頃は皇室の事は別に興味がなかったけれど、やっぱり神社仏閣をめぐるようになると、知っておいたほうが良い事なんだなと思う。ただ一概に皇室バンザイ!とも言えない面も、沖縄などを訪れた際にいろいろ見聞きして感じているので、やっぱり難しい問題だなぁと思いつつ。
扶桑社
売り上げランキング: 502,527