宿坊に荷物を預けて、目指すは奥之院。
前回来た2年前と違って、街は人で溢れかえっていた。最初の訪問が今回で無くて良かった、と思いつつ、テクテク歩いて一の橋のところまで。
一の橋を渡ると、やっぱり空気感がガラッと変わる。
一の橋の近くには、司馬遼太郎さんの文学碑が。
司馬遼太郎 文学碑
この旅に出る前に『空海の風景』を読んだこともあって、この文学碑を見た時には感慨ひとしおだった。
参道のお地蔵さんたちにも久しぶり~と思いつつ、歩く。
武田信玄・武田勝頼墓地
弘法大師腰掛け石
市川団十郎 墓所
などなど、ちょっと歩くと見どころが沢山あるので、御廟まで行くのに時間がかかってしまう私(爆)
そして汗かき地蔵さまのところへ。
汗かき地蔵
中の橋を渡るとすぐの、この地蔵堂の中には、汗かき地蔵をお祀りしています。この汗かき地蔵は、世の中の人々の苦しみを、お地蔵様が身代わりになり一身に受けているので、いつも汗をかいていると伝えられています。
~高野山宿坊協会 HP より引用
というお地蔵さんなので、こちらの前を通ると必ずお参りさせていただいていた。
お力になっていただけますよ、本当に。
そして汗かき地蔵さまのすぐ横にある、姿見の井戸で今回も自分の姿を映して、あと3年は生きることを確認したりした(笑)この井戸を覗き込んで水面に自分の姿が映らなければ、その人は三年以内に亡くなってしまうって言われているところなのです。
姿見の井戸
休憩所にも人が沢山いたりして。
嘗試地蔵さまのところには誰も居なかったので、ここぞとばかりお参りさせていただく。
嘗試(あじみ)地蔵
水かけ地蔵さまのところには、お水をかける人々の行列が出来ていたので、この日はやめておいた。人が多すぎて、ディズニーランドか、って位の賑わいだったのよね。。。この日の奥之院。
みろく石にも長蛇の列が出来ていたし。
御廟橋
ここからは先は撮影禁止なのです。
なので橋の手前から一枚写真を撮ってみた。
しかし写真撮影禁止と知らない人々は、橋を渡ってからも写真を撮っていた。中には白装束姿の人も写真を撮っていたので、本当に信者なのかしらん?と思ったりする部分もあった。
燈籠堂に入る前に塗香で清めて、こちらにお招きいただいたことに感謝して、お参りさせていただいた。
そして高野山開創1200年記念のしおりと、御衣切(おころもぎれ)をお守り等授与所で頂戴した。御衣切(おころもぎれ)は『『空海の風景』を旅する (中公文庫)』という本を読んでいた際に、老女がそのご利益について語っている場面が描かれていたので、その存在を知ったのだけれども、ググってみたら某掲示板にも
高野山奥の院の「御衣切(おころもぎれ)」(¥1000)が最強。
何しろ前の一年間お大師さまにじかに供えられた衣を小さく切って授与して下さるんだから。
惜しいのは、毎年4月ぐらいから授与を始めて、7月ごろには売り切れてしまうこと。
それだけに貴重。
と書かれていた。
そして、いよいよ空海さんのいらっしゃる、弘法大師御廟へ。
人はとても多かった。
一般の観光客も多いけれども、信者の方も多い。
至るところから、「南無大師遍照金剛」という声や、般若心経、光明真言などが聞こえてくる。
私もお線香とろうそくをいただいて、お供えし、こちらにお招き頂いたことに感謝してお参りさせていただいた。そして参拝の方の邪魔にならないように、隅の方で般若心経を唱えると、とても強い力をいただけたような気がした。
もともと、GW中に高野山に行こう、と考えたのは今年の3月初め位だったけれども、その時点で一人で宿泊出来る宿坊の予約が取れたのは、5月3日だけだった。高野山には絶対宿泊したかったので、5月3日ってGWど真ん中じゃん、と思いつつ、とにかくこの高野山開創1200年記念大法会期間中には行かなくてはならん、ということで予約を入れた。
けれども、この5月3日というのが重要な日だということに気付いたのは旅に出ている途中だった。
当日奈良から高野山の移動中に、Twitterをチェックしていたら、5月3日という日は、819年に空海さんが高野山で金剛峰寺の開創に着手した日だと知った。(新暦だと5月31日らしいけれど)
弘法大師は弘仁十年(819) 5月3日に壇上伽藍へ丹生、高野両明神を勧請し、鎮守社を建立されました。
この故に、本日9時と14時から行われる法会は、50日間に及ぶ法会の中でも中心となる最重要法会と言って良いでしょう。#koyasan #高野山— 高野山 青巖寺@南山坊 (@nanzanbou) May 2, 2015
偶然なのか必然なのかは分からないけれど、とにかく、その重要な日に来られて良かったと思った。
そして、14時からは奥之院で「正当庭儀大曼荼羅供」が行われるということで、燈籠堂前に行くと、既に人が法会を一目見ようと待っていたので、私もベストポジションを探して待ってみた。
そして14時を過ぎて、僧侶の列が燈籠堂に向かい歩みを進める姿を見て、思わず手を合わせてしまった。
この日の朝、午前中に奈良観光していたら、この「正当庭儀大曼荼羅供」には間に合わなかったと思うと、とても不思議な気分になったのだった。。。
Facebookには
大法会中日 奥之院正当(しょうとう)庭儀大曼荼羅供
開創の正当を記念して、弘法大師の御廟前で庭儀大曼荼羅供を修しました。奥之院では、今も大師が瞑想をつづけておられるという信仰から、その妨げとならないよう伽藍で行われる庭儀とは異なり、鉢や法螺は用いず、声明のみで行います。
~高野山開創1200年記念大法会 Facebook より引用
と書かれていた。ここに掲載されていた写真を見たら、もう少し燈籠堂側にカメラを向けられていたら、私が写りこんでいたようなショットもあったりした(笑)
そしてもう一回、空海さんにご挨拶してから宿坊に戻ろうと弘法大師御廟へ行ったら、「正当庭儀大曼荼羅供」の為に御廟橋を渡れなかった人々が一気にやってきたらしく、超ぎゅうぎゅう満員電車状態となっていた。。。
係りのおじさんが「お線香とろうそくは危険なので差し上げないでください~」と叫んでいた程だったのですよ(爆)
ぎゅうぎゅうの中、もう一回お参りさせていただいて、弘法大師御廟を後にした。
御廟橋を渡ると納経所があるので、そちらで御朱印がいただけるのだけれど、この時は
超行列!
だったため、この日は奥之院の御朱印をいただくことは断念しました。
すごいねーホント御朱印ブームなんだねぇと、こういう場面に遭遇すると実感するものですね~。
宿坊に戻ってお部屋に案内いただく。
今まで宿泊した宿坊の中では一番、こじんまりとしたお部屋。
しかし、このGWの期間中に一人で宿泊させて頂けるだけでもありがたかったので、感謝してます。
そして即効でお風呂に入って、身支度を整えて、早めに夕食を頂戴した。
何故宿坊でのんびりもせずに、こんなに急いでいるかと言えば、18時30分から金剛峯寺で蟠龍庭夜間特別拝観出来るということと、この日5月3日には19時から報恩法会というものがあると、宿坊の人から聞いたので、とにかく18時30分までには金剛峯寺に行かなくては!と焦っていたのだった(笑)