photo credit: Danny Choo via photopin cc
とあるブログを見たら、天使にお願いすれば大丈夫、等々の口当たりの良い言葉が並んでいて、思わず吐きそうな感覚を覚えちゃったりした。
この手の人たちはこうやって人の思考を停止させて、その思考を停止させた人たちから、お金を巻き上げるのが常套手段ですからねぇ~
と、こういったものを見た後は、俗世間にまみれたものを読むのが良いということで、ポジティブシンキングの逆を行く、ネガティブシンキングの王道、有吉センセーの『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ「生き残りの法則50」 』を読んだのでした(笑)
はじめに
「はじめに」と書かれていた文章が、イキナリお花畑さんの脳天をぶち抜くカンジで素敵。
この本は、夢や希望、明るい未来を期待してるヤツらに現実を見せてやる本です。甘えて生きるお前らにこう言いたいです。「お前なんかもう死んでいる」って。
自分に期待するより、ダメな人間なんだと思って生きたほうがよっぽどラクです。「これ以上落ちたくない」とか「ホームレスは嫌だ」とか生意気なこと言っている人はこの本読んで洗脳されてください。
第一章「栄光からの転落」 4の法則
有吉センセーは、お若い頃、猿岩石というお笑いコンビで一発当てて、とても人気者になりました。私も当時、猿岩石がロンドンに行くまでの様子をTVでワクワクしながら見ていたものです。
私が丁度ロンドンに行っていた時に、猿岩石がロンドンに到着するかも?という日本人コミュニティ発の噂を聞いて、現地の日本人みんなでドキドキしてしまったくらい人気者だったのです(笑)
しかしそんな状況は、永く続くと思っていなかった、ということが書かれていました。
「稼いでるんだからもっといいところに住まなきゃダメだ」とか、「金は遣えば遣うほど入ってくるもんなんだ」とか、「いいところに住めばもっと稼ごうと思って頑張れるんだ」とか、そういうこと言う人もいました。
~中略~
でも僕はそういうの、まったく信用してないですね、「金遣えば遣うほど入ってくる」みたいのは。「金遣えば遣うほどなくなるだろ!」って思うんですよ。だからひたすら金遣わないようにしてました。
そういえば、「お金は遣えば遣うほど入ってくる」ってよくスピ系でも言われているなぁと思ったりした。
第二章「どん底生活」11の法則
この章では、猿岩石人気が急落した後のどん底生活が描かれています。有吉センセーが今ほどの人気が無かった頃、街でお見かけしたこともありましたが、これを読むとそこまでだったの?と思わずにはいられませんでした(涙)
先が見えない時に考えてしまって、落ち込んでしまった時の対処法というのは役に立ちそう。
落ち込んだときに、「どうせ俺なんて……」って思うと、ローゼ(※ノイローゼと同意語であり、有吉オリジナル語)にハマってしまうんですよね。そう思えば思うほど、どんどん落ちていくんで。
じゃあどうすればいいか?っていうと、ご飯いっぱい食べるとか、そういうので治っちゃったりするんですよ、意外と。人間の本能ですから、それを満たすと意外にスッキリするっていう。
安いバイキングみたいな、食べ放題に行って、目一杯喰ってくるとか結構いいんですよ。お得だし。そうすると気持ちが軽くなったりするんで、それはいい治療法ですよね。
第三章 「地獄で発見」11の法則
ブログ界隈でも、サラリーマンなんか辞めてプロブロガーになっちゃえば?という事をおっしゃる方がいらっしゃいますが(まぁサラリーマンやってると自分がダメになりそうだ、という人は別でしょうが)、サラリーマンという安定した収入源を捨ててまでプロブロガーになる必要はないんじゃないかなぁ、と思ってしまった。特にこの章読んだ後は(笑)
いざというときのために「逃げ道」を作っておくのって大事ですよね。たとえば勤めてた会社が潰れても、「俺はこっちで生きられるから」って思えれば慌てなくて済むんで。
会社にリストラされたとしても「いい、いい、俺はこっちの仕事があるからいいんだよ」って気持ちになれるし。「資格持ってるから大丈夫だ」とか、「俺はパチンコで喰えるから大丈夫なんだ」とか、いざっていうときの逃げ道は絶対に持っておいたほうがいいですよね。
「落ち始め」に気付くにはどうすればいいか?
それにはいつでも自分でアンテナを張っとくことです。「自分は大丈夫」なんて絶対に思っちゃダメです。常に、「自分は落ちるぞ」とか、そろそろ落ちるから気を付けてないと」って思っていないと。そこはもう完全にネガティブです。「自分は大丈夫」なんて前向きに思ってると命取りです。ポジティブな考えとかいらないです。
第四章 「プロ一発屋」9の法則
いつも同じことをしていると、ズルズルと知らないうちに下がったところに居たりするのかも知れません。前読んだ上岡龍太郎さんの本にも、「下りの快楽はまさに地獄への転落過程」と書かれていたとおり、自分が走っている道を知っておく必要があるのだろうと思えるのです(←自分への戒めです、ええ)
現状維持するって難しいんですよね。「これキープ」とか、「これだけやっときゃいいだろ」みたいに思うと、確実に落ちていきます。現状維持どころか、仕事が減っていきます。
守りに入っちゃダメなんですよね。ちょっとぐらい欲出さないと、現状から落ちていくんですよ。確実に。
先行投資って大事だと思うんですよ。金ないときに先のこと考えて金遣うのって本当に辛いんですけど、そこは苦しくてもやっとけよって思うんです。
そうすれば、いずれ仕事につながったりとか、~中略~なんか芽が出てくると思うんですよね。
第五章 「現代人へ贈る」15の法則
某エッセイストの本を読んでいつも違和感を感じるのは私だけでしょうか、、、苦労してないお嬢さんの戯言にしか感じないのは、私の性格がひん曲がっているからかしらん?と思っていたけれど、これを読んで腑に落ちた(爆)
「前向きに生きよう」とか、「ポジティブ思考で何事もプラスに考えましょう」とか、言う人いますよね。「人生ポジティブに生きれば成功する」みたいなことを。
たいてい、そういう人って金持ってるんですよ。どっかの会社の社長とか、何かで成功した人とか、そういうこと言う人って、人生の成功者でちゃんとした地位とか築いてる人なんですよね。
そういう連中に「前向き」とか「ポジティブ」とか言われても説得力ないんですよ。「そりゃお前は金持っているから前向きになれるかもしれないけど、こっちは金ないんだ」っていう。「じゃあポジティブになれば金持ちになれるか」っていうと全然そんなことないし。「そもそも金ないから前向きになれない」っていう。だからそんなのウソだってことに早く気付いて欲しいですよね。なんの役にも立たないってことを。
有名社長の成功体験とか読んで、「この人もできるんだから俺もできる!」なんて勘違いしちゃいけないんですよ。普通の人ができないことをやったから本書けるっていう根本的な部分があるわけで。それを参考にしてもまったく意味ないんですよね。普通の人じゃできないんだから。そもそも参考にならないっていう。
まとめ
ある意味、夢も希望も、身も蓋もない本で、良い波動を出してればいいとか、良い事だけを考えてればOKという考えを持っている方には反感を買う記述ばかりの本ですが(笑)、いわゆるポジティブ疲れ(←前向きにしてなくちゃダメ!とか考えて余計に疲れてしまう等)しているときに、この手の本を読むのはお勧めです。
食べ物でも思考でも、何事も中庸が一番ですよね~。