御本殿方面から恵比寿社の前に差し掛かると、これまた沢山の人が行列していたので、まずは弁財天社にお伺いすることにした。
弁財天社
九頭龍神社本宮近くに御鎮座されている弁財天様と比べると、とても穏やかな雰囲気がした。
そして恵比寿社へ。
恵比寿社
箱根七福神の一社ということで、箱根神社ではこちらの御朱印も受けることが出来る。
お参りさせていただいた後に、そろそろランチを、と思い、箱根神社境内にある休憩所に行くと、お目当てだった権現からめもちが売り切れていた。。。
おまけに麺類も完売ということだったので、こちらでの食事は諦めて
箱根神社を後にして、元箱根のバス停方面に戻って行く途中にあるパスタ屋さんでサクッとランチを済ませた。
カルボナーラ¥1,200也。
パスタ屋さんと書いてしまったけれども、恵比寿にあるアンクルトムとか、代々木八幡などにあるハシヤとか、そういう系統のものを提供している「スパゲッティ屋」さんだった。
そして箱根神社の一ノ鳥居方面まで歩いてみた。
箱根神社 一ノ鳥居
この辺りは、やはり箱根神社が神仏習合の地であったと思わせるようなものがある。
例えば身替り地蔵。
身替り地蔵
近くにあった案内版には
身替り地蔵
宇治川の先陣争いで名高い梶原景季は、ある年箱根を通りかかった時、何者かに襲われました。当時弁舌巧みで、たびたび人をおとしいれた平景時を間違えられたらしいのです。幸いにもかたわらにあった地蔵が身替りになってようやく命が助かりました。それ以来この地蔵を景季の身替り地蔵と呼んだとのことです。
と書かれていた。
そしてこの身替り地蔵がある場所から道路を挟んだ近くにあったのが賽の河原だった。
賽の河原
箱根元宮の近くの石の方が、賽の河原の雰囲気を感じたけれども(爆)、こちらの中には入らない方が良いような気がしたので、外から写真に収めさせていただいた。
そしてプラプラ芦ノ湖湖畔を歩く。
平和鳥居が見えて、これまた素敵な光景だった。
そして箱根神社の船庫の前に差し掛かる。
箱根神社 船庫
箱根神社のお祭り「湖水祭」の神事で使用する龍頭鷁首の和船が三艘入っていて、お祭り前になると、船庫前の太鼓橋の下を通って出船するということだった。
箱根神社で購入した『龍神物語』という書籍にも、このお祭りについては書かれていて
この祭典はまづ、神前に御供と神酒を献じて祝詞を奏し、神楽を舞ひ、祈願をこめたのち、御供を唐櫃に収めて棒持し、行列を整へて湖畔へと向ひます。岸辺で小舟にのりかへ、御供船、楽船、お伴船の順で進発しますが、しかし湖上の大鳥居前から先は、宮司が唯一人ゆく御供船のみが湖心に漕ぎ出してゆき、神秘の神事(御供の献納)を行う一社伝来の特殊神事であります。
~『龍神物語』より引用
という、本当に神秘的な神事らしい。
この本の中に書かれていた宮司様の言葉が全てを表しているのだろう。
「行きはよいよい、帰りはこわい」怖いながらも奉修せねばならぬのが、この祭り。私は一度ならず試練にあった。強い雨でも風でも難儀するが霧ですっぽり覆われたら船の周囲は真っ白。何れが湖か、岸か山脈か。東西南北皆目見当もつかず湖心で立ち往生した時のことである。
さすがは船頭さん、やることが理に適っている。竹竿一本、手探りで船を岸辺に寄せ、船を止めて静かに風の音を聴き、霧の流れを探る。艫と舳先にいる二人が互いに息を止めて気を合わせ、協力して安全地帯へと誘っていく。
私は浅はかにも、水泳ぎは腕に覚えがあるから大丈夫、もし万一船がひっくり帰っても、水中に浮かびながら、着ている装束を脱ぎ捨てれば、岸に泳ぎ着くことができるだろう、と考えていた。
しかしそれは全く役にも立たぬ妄想、たわごとに過ぎぬことがわかった。万一の場合、どんなことがあっても、この船から手を離したらおしまいである。もう生きては帰れぬのだと観念した。
人間の知恵なんてちゃちなものである。自然現象には、人の力など到底及ばぬ魔力、神秘なもののある驚きをいたく知らされた。
~『龍神物語』より引用
そして平和鳥居で祈りを捧げた。
平和鳥居からまっすぐ御本殿に向かって石段が伸びていたので、再び御本殿方面に歩いて行く。
そして先ほどは人が多かったために近寄る事の出来なかった安産杉の元へ。
安産杉
この時点で15時を過ぎていたからかもしれないけれども、さほど参拝客の姿を見かけなくなっていた。
帰りは16:35発のバスを予約していた為、ちょっと時間があったので宝物殿を見学させていただくことにした。
箱根神社 宝物殿
宝物殿右手に居る狛犬さんがとても可愛らしかった。
そして入館料¥500を支払い中に入ると、誰も居なくて貸し切り状態だった。
階段踊り場には龍の絵画があり、龍好きな私は思わず小躍りしたくなるような気持ちだった。ここで写真を撮っていいのか良く分からなかったので、写真を撮る事は自粛したけれども、今回私がお伺いした際には、御鎮座1260年特別公開ということで、箱根神社の神像群を見ることができた。
神像というと、とても神々しいものなのかと思いきや、口をすぼめたような格好の年老いた女神の像などもあったりしたので、逆にとても興味深くそれらの神像を見た。
そして、やはり修験の地ということで、役行者さまの像もあった。
箱根権現縁起の世界という絵巻もじっくりと拝見させていただいたことで、継子いじめによる姉妹の苦難と克服を主題にした箱根の三所権現垂迹の由来というものを知ることができた。
シンデレラじゃないけれども、いじめた方のキャラって、どのストーリーでも結局最後は不幸になるんだよねーなんて俗っぽいことを思いながら(爆)
そしてそろそろバスの時間も迫ってきたので、バス停へと向かう。
箱根神社から歩いて数分の山のホテル。
ここにあるバス停から16:35発のバスに乗車して、新宿まで戻って行った。途中渋滞があってバスタ新宿に到着したのは20時位だったけれども、結構適当にプランニングした割りには、充実したお参りが出来た旅だった。
全ては上手く行っている。