諏訪大社下社秋宮を後にして、向かった先は、諏訪大社下社春宮。
今回諏訪大社へはバスツアーを利用したので、諏訪大社下社春宮の駐車場で降ろされて、散策時間は40分ということだった。
まずは諏訪大社下社春宮に来たのならば、見ておきたいものの一つだった下馬橋へ小走りで向かう(笑)
春宮 下馬橋
諏訪大社下社で最も古い木造建築物であり、遷座の際には神輿だけが唯一橋の上を渡るというもの。
こういうものが、普通に生活している街並みの中に自然にあるということが、何となく不思議なような気がしてしまった(しかも普通の道路の真ん中に)
そして諏訪大社下社春宮までこれまた小走りで向かい、手水で清めたのだけれども
手水と鳥居が道路で挟まれているという、なんとも妙なところだなぁと思いつつも、鳥居を潜らせていただいた。
諏訪大社下社春宮
今回諏訪大社にお伺いする前に読んでいた『諏訪大社 (1978年)』という本の、下社の起源という項目では
今日では春秋両社とも人家に近く、荘厳味を欠いているが、古代には一連の樹林の中にあったことだろう。どちらが先に成立したのかは、決するべき手がかりはない。一般に春宮が先といわれており、また、四季の首位におかれる春の称号をもつ春宮が先とみるのが妥当であろう。
古くこの地方では、春夏は普通の住宅に住み、秋冬は土中に室を作って寒さをしのいだという。神にたいしても同様の観念をもつとすれば、御室を作りそこへ奉遷したと考えることができる。春秋両社間の遷座はこれがもとになったと考えることができる。
現在では、秋宮が、下社の中心であるかのように、社頭を賑わせているが、むしろ春宮の方が神祭に適したところと思われる。背に霧ヶ峰を負い、左に砥川の清流が走り、きわめて荘厳な社頭であったろう。
中山道をはじめ、交通の要所が秋宮に近く、また温泉が豊富なために宿場町として栄え、自然秋宮に盛況がみられるようになっていったのである。
~『諏訪大社 (1978年)』より引用
という記述があったこともあって、こちらにお伺いするのを密かに楽しみにしていた。
狛犬さんたちにもご挨拶して
目に飛び込んできたのは神楽殿だった。
神楽殿
神楽殿右手前には、結びの杉。
結びの杉
神楽殿を時計回りに回って行くことにして、最初に目にしたのは筒粥殿だった。
筒粥殿
秋宮にみられないものが、筒粥殿であり、こちらで筒粥の神事が行われるということ。
筒粥殿の先には子安社。
子安社
そして二の御柱の姿が見えた。
ニの御柱
ニの御柱後方の、参拝客が立ち入れないエリアに三の御柱の姿が。
三の御柱
そして幣拝殿に到着。
左右には片拝殿が
左右片拝殿
そして幣拝殿前に立ち、こちらにお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただいた。
幣拝殿
諏訪大社というのは、調べれば調べるほど不思議なところで、『諏訪大社 (1978年)』の中にも諏訪大社下社については、こういった記述があったりする。
参拝客が入れない幣拝殿の中に、左側に西宝殿、右側に東宝殿があるのだけれども
宝殿は祭儀の中心として重要な位置を占めることはいうまでもないが、下社の場合、その使い分けが複雑である。
当社では申と寅の年に遷座が行われ、寅から申までは向かって右を正殿として祭儀を行い、申から寅までは左を正殿とする。
さらに下社では二月と八月に春秋両社間の遷座が行われるわけであるから、春秋両社四つの宝殿を使い分けることになる。
さらに古記録によると、宝殿は新築後七年間そのままにおいて清めたのち、遷座をしていたが、江戸時代になって、今日のように新築後直ちに遷座するようになったという。
~『諏訪大社 (1978年)』より引用
という、なんとも忙しい遷座が行われているということでして。
けれども、よくよく考えれば、御柱祭も7年に一度行われているけれども、この7年というのが、寅と申の年に行われていることを考えると、やはり昔の人の叡智を感じざるを得ない。
御柱祭が寅と申の年に7年ごとに行われることとなったのは、寅と申には「動く」「うごめく」といった意味があって、草木の芽吹きや作物の熟成に通じ縁起がよいから、という説もあり、そして易学からみて、陰暦で寅は1月、申は7月にあたり、春と秋の初めになるといわれているそうでして。。。
パワースポット的に諏訪大社下社秋宮には、成長や育成、発展の運気があり、諏訪大社下社春宮には、安定運、安泰運があると言われているけれども、こういった所以を考えると自ずと納得できるものがあったりした。
そして幣拝殿での参拝を終えて、境内を再び散策。
一の御柱
一の御柱後方の参拝客が入れないエリアに、四の御柱
四の御柱
そして一の御柱近くに御鎮座されているのが若宮。
若宮社
そしてその右隣には上諏訪社。
上諏訪社
これらのお社にもお招きいただいたことに感謝してお参りさせていただいた。
そして御朱印をいただきに社務所にお伺いしたところ、番号札を引換というスタイルだったので、御朱印帳を預けて、諏訪大社下社春宮にお伺いしたのならば、是非とも行ってみたい場所へとこれまた小走りで向かった(なんせ時間が限られていたもんでー爆)