自分自身に嘘をつかない

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photo credit: rebekahgennick via photopin cc

「ありがとう」という言葉は、唱えると運が良くなると言われているらしい。確かに「ありがとう」と言われると、悪い気分にはならないけれども、その言葉に本当に感謝の感情が込められていなければ、何の意味も成さない。

私の黒歴史である(笑)ヒーラーになろうと思った際に教えを乞うていた人は、この「ありがとう」信者だった。例えば、生徒が持って来た手土産に異様に喜び、ありがとうを連発して、対して美味しくもないものにも「これが食べられるなんて、私は幸せ!」と言っていたんだけれど、それを見る度に、私は違和感と胡散臭さを感じていた。

心からありがたいと思っているんじゃなくって、「全ては自分の運が良くなるためにやってます!」という波動しか感じなかったもんで(爆)本心とはかけ離れた言葉を聞いても、聞かされる方はたまったもんじゃないわーと。

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そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか (―)』というビジネス書(?)を読んだ。著者の人は外資コンサルでコンサルタントとして活躍した後に、独立した人なので、誰もが著者のようにスムーズに起業できるという訳ではないと思うけれど、どうやって収益化するか?と示されたビジネスモデルは読んでいて為になった。

けれども、この本の中で線を引きたい、と思ったのはこの部分だった。

他人との関係において、自分の存在を肯定する方法は2つあります。それは、競争するか、感謝するかです。

競争は「差」によって、感謝は「和」によって、自分の存在価値を浮き彫りにしてくれます。これは、どちらがよいということはないです。差と和を交互に繰り返すことによって、世界は進化を続けられるからです。

ただ、「ありがとう」と人に感謝するとき、人はその対象(相手・事象)の存在価値を肯定することになり、そのことは相対的に自分(エゴ)の存在価値を低下させることにつながります。我々はどうしても、そういう二元論的な世界に住んでいるのです。

逆に言うと、そのような自己評価の低下に耐えうる強い心を持つ人だけが、心から「ありがとう」を言うことができることになります。

これは、人を褒めるときも同じことです。心をこめて人を褒めることは、実はとても難しいことなのです。

そういう意味では、よくあるコーチングなどの「もっと積極的に人を褒めましょう」的なテクニックでは、この「褒める」という動作が伴う自己価値の否定のリスクを考慮していないのが盲点だと思います。つまり、人がなかなか相手を褒められないのは、褒める言葉やその効果を知らないからではなく、褒めることによる自己価値の相対的低下こそが本質的な問題なのです。

良いと思ってやっている「人を褒める」ということが、実は自分を低い位置に置いて、駄目な自分と比べると、相手は素晴らしい、というように感じてしまい、自己嫌悪にもつながってしまう可能性を秘めているという訳ですね。

感謝すること、人を褒めること。

これはともに、深いレベルで自己の存在価値を認識できる、強い精神性を持った人にしかできないことです。お金がなくても、外見が悪くても、その他のどんな条件が悪くても、無条件に、いつでもどこでも愛されるべき存在として、自分を認識できる究極の理解こそが、心の強さなのだと思います。

そうして強さを鍛える行為が「ありがとう」という感謝なのです。こういうロジックをもって「ありがとう」と唱えることで、心(意識)の力は強まり、ミッションを現実化させるスピードも高まってくるのだ、と僕は考えています。

「ありがとう」という言葉を唱えるということも、本心では、ありがとうと思っていないのに、運が良くなるから、とか、そういう心にも思っていないことを続けていると、自分自身も信じられなくなる。そして、相手から褒められたり感謝されても、相手は本心からこの言葉を発しているのかしらん?と疑ってしまう、ナンテことも考えられる訳で。

仏教でも 不妄語戒(ふもうごかい) – 嘘をついてはいけない、と言われているけれども、それは人に対してだけではなく、自分自身に対しても嘘をついてはいけない、という教えなのではないかと、最近とみに思うのでした。

自分自身に嘘をつかないということが、自己の存在価値を最も高めると同時に、最も強い精神性が要求されるんでしょうね。

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
山口揚平
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