【後編】吉野大峯世界遺産登録10周年記念・連続講演会in東京に行ってきました

【前篇】吉野大峯世界遺産登録10周年記念・連続講演会in東京に行ってきました の続きです。

第1講が終わり、休憩をはさんだ後、第2講へ。

第2講は、世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える、という演題で、講師は宗田好史氏。頂いたレジュメだと「京都府立大学教授」としか書かれていなかったので、Webで調べたら

1956年浜松市生まれ。法政大学工学部建築学科、同大学院を経て、イタリア・ピサ大学・ローマ大学大学院にて都市・地域計画学専攻、歴史都市再生政策の研究で工学博士(京都大学)。国際連合地域開発センターを経て、1993年より京都府立大学人間環境学部准教授。国際記念物遺産会議理事、東京文化財研究所客員研究員、国立民族学博物館共同研究員などを歴任。
学芸出版社HPより引用

ということで、都市計画の観点から歴史的環境の保存再生に関して研究されていらっしゃる方ということだった。パワーポイントで作成されたハンドアウトを頂いたので、それにメモりながら講演を聞いた。

世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える

世界遺産とは?

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そういえば、世界遺産って、何だろう?と考えたことすら無かったことに気付いた(爆)ユネスコが認定した、世界に残しておきたいもの、位の認識しかなかったけれど、この講演では具体的な説明を聞いて、初めて「そういったものだったのか!」と知った。

  • 1972年ユネスコ総会で決議され、1975年に発行した国際条約、日本では1992年に批准した。
  • 1962年の『ハーグ条約』が発展したもの、戦争や災害から人類共通の遺産を護る条約。
  • 1972年から自然遺産が加わり、文化、自然、そして両者の複合遺産の三種となった。
  • 代表国による世界遺産委員会が決定、自然遺産はIUCN,文化遺産はICOMOSが審査。
  • 日本では2000年頃から、中国、韓国でもその頃から広く関心を集めるようになった。

~世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える ハンドアウトより引用

宗田氏は1996年から放送されていた「世界遺産」というSONY提供の番組で監修もされていたそうだけれど、最初は「世界遺産」は数字が取れなかった(=位、世界遺産について世間の関心が低かった)そうで。しかし、ここにも書かれているように、日本では2000年頃から観光としての世界遺産が関心を集めるようになったというお話をされていた。

なぜ、世界遺産登録を目指すのか?

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photo credit: archer10 (Dennis) via photopin cc

ここでは、スタリ・モストや、ワルシャワ歴史地区(ワルシャワ旧市街地の破壊と再建)などの例をもとに、世界遺産が意味するものについて述べられていた。

  • 世界人類共通の遺産として認知され、戦争や災害から保護する国際理解・強力をえられる。
  • 世界遺産への登録過程と登録後の保存、普及啓発を通じ、その国や地域の文化への国際的理解を図ることができる。
  • その国民や地域住民の誇りとなり、歴史や自然環境への深い理解を通じて、地域固有の未来を拓くことになる。
  • 他地域からの訪問者が増えることで、国際交流、民族相互の文化交流が広がる。

~世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える ハンドアウトより引用

ワルシャワ歴史地区は第二次大戦でナチスによって破壊されたものを戦後に復元したもので、市民たちが古い写真を集めるなど協力して元通りに復元した奇跡的な功績が認められて世界遺産に認定されたものだということだった。

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日本の文化を世界にどう位置づけるか?

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photo credit: snakecats via photopin cc

日本の文化遺産登録の問題点について語られていました。中国や韓国などは世界遺産を通じた歴史と文化の理解の促進を図っているのに対して、日本の文化遺産は、「文化財」としての文化遺産登録が多く、果たして「文化」を代表しているのか?といったことが述べられていました。

吉野大峯が世界遺産に登録される際に、女人禁制の地があるということは、いかがなことか?といった提言が奈良の関係者からあったらしいけれども、世界遺産になるために女人禁制を解くと言うのは本末転倒で、地域文化を尊重していないことになる、ということで、女人禁制も含めた文化遺産として登録されたということだった。

世界文化遺産の意味

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  • 過去への関心は、未来への関心なしには成り立たない。私はこれを『未来の記憶』と呼ぶ(F.マイヨール・サラゴーザ前事務局長)
  • 文化遺産は、個別性に囚われていた歴史を、未来に向かって解放するのに役立ち、同時に拡散しすぎて疎外感を持ちがちな開発・近代化を、自己の過去へつなぎとめるのにも役立つ。

~世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える ハンドアウトより引用

まとめ

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この他に、紀伊山地の霊場と参詣道に期待する変化や、再生する地域社会等についての説明がありました。そして、21世紀の日本人像として、下記のものが挙げられていました。

21世紀の日本人像とは?

  • 「新しいモノ」を欲しがらないほどに「成熟」した。
  • 「たくさんのモノ」を欲しがらないほどに「豊か」になった。
  • 「自分のため」、「愛する人」のためだけでなく、「みんなのため」に尽くしたいほどに「幸せ」になった。
  • だから「暮らし」と「生業」を見直し「景観」を守る。「まち」を創る。
  • 「スロー」な時代に変わってきた?

~世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える ハンドアウトより引用

世界遺産の詳しい説明から、これからの21世紀の日本人像に展開すると思っていませんでしたが、この21世紀の日本人像っていうのは、いま結構な数の人があこがれているライフスタイルなんではないかしらん?と思ってしまいました。

第1講、第2講とも、とても為になりました。こういう講演も参加するとイロイロ学ぶことが多いです。

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