【前篇】吉野大峯世界遺産登録10周年記念・連続講演会in東京に行ってきました

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今年(2014年)は吉野大峯世界遺産登録10周年ということで、記念事業が沢山行われていて、その一つでもある、吉野大峯世界遺産登録10周年記念「連続講演会in東京「世界遺産『吉野大峯』の魅力」が千駄ヶ谷のSYDホールで行われるということで、行ってきました。

SDYホール

台風が関東を直撃するかもしれないという日だったので、この講演会自体、中止になってしまうかも、と心配していたけれど、当日は晴天に恵まれた。

以前記事にもした、『体を使って心をおさめる 修験道入門』の著者で、金峯山修験本宗宗務総長・金峯山寺執行長でいらっしゃる田中利典氏の講演ということで、楽しみにしていたのです。

講演会は

  • 第1講 演題:日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」、 講師:田中利典氏
  • 第2講 演題:世界文化遺産「吉野大峯」その登録の意義を考える、講師:宗田好史氏

という内容だった。

ここでは第1講について書いてみました。

日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」

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第1講の講師は金峯山修験本宗宗務総長・金峯山寺執行長でいらっしゃる田中利典氏。

ハンドアウトが用意されていたので、それに書かれていた内容を引用すると

  1. 世界遺産とは?
  2. 「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録
  3. 世界遺産「吉野・大峯」
  4. 修験道とはなにか?
  5. まとめ

という項目に従って、講演が進められていった。

田中氏の本を読んでいたこともあって、「田中氏というのはどういった方なんだろう?」と興味半分で講演にお伺いしたというのもあったけれど、実際に田中氏を目の当たりにして、著書やご本人のTwitter、ブログ等で受ける「楽しそうなお坊さん(←失礼)」というイメージは、良い意味で裏切られた。

確かに講演のお話なども、堅苦しいものではなく、御年輩の方が多かったこの講演会でも、ドカン、ドカンと笑いを取りながらの楽しい講演内容だったのだけれど、漂ってくる雰囲気が只者では無かった。。。

「厳しい修行者」という本質を笑顔やソフトな物腰で覆っている、と感じた(爆)

世界遺産とは?

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正式には「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」通称「世界遺産条約」。

これまで対立するものと考えられてきた「自然」と「文化」を、人類全体の宝物として損傷、破壊等の脅威から保護し、関係機関が強力して調査・保全することの大切さをうたった条約。

自然と文化は密接な関係にあり、ともに守るべきものであるという新しい考え方がここから始める。1972年の第17回ユネスコ総会で採択された世界遺産条約の締結国数は、現在190ヵ国。

日本も1992年に125番目の締結国として仲間入り。

~日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」ハンドアウトより引用

田中氏は最初目指したのは「複合遺産」としての登録だったけれども、最終的には「文化遺産」として世界遺産と登録された、とのお話をされていた。

目的を持って、そして活動をすることによって、いろいろな人に出会い形になっていく、という話が印象的だった。

「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録

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「紀伊山地の霊場と参詣道」とは=3つの霊場と3つの参詣道
●霊場

  • 吉野大峯…修験道の霊場
  • 熊野三山…神道と修験道の霊場
  • 高野山…真言密教の霊場

●参詣道

  • 大峯修行道(大峯奥駈道)
  • 熊野参詣道(熊野古道)
  • 高野山町石道

~日本が日本のままで生きている世界遺産「吉野大峯」ハンドアウトより引用

この三つの参詣道の中で、大峯修行道のみが、参詣道ではなく修行の道であり、この修行の道に身を置く事が大事な道であるということをおっしゃっていました。そして熊野・高野の参詣道は一時、廃れて道が使われなくなるといったこともありましたが、大峯は(明治の一時を除いて)役行者さま以来、1000年以上修行され続けている生きた道だということです。

また紀伊山地の参詣道というのは、異なる宗教(神道・仏教・真言密教)を繋いでいる道で、違う宗教を繋いでいるという世界にも類を見ない道であるということを説明されていました(サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を例にして)

世界遺産「吉野・大峯」

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photo credit: f_a_r_e_w_e_l_l via photopin cc

修験道の根本聖地である、吉野・大峯について説明がありました。

修験信仰の伝播についての解説が興味深かったです。

例えば、山形花笠まつりとの関係。山形花笠まつりの先頭には蔵王権現山車が見られるのもその一つだそうです。

修験道とはなにか?

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最近日本というタイトルがついている本が良く売れているそうです。それだけ日本人が日本というものを探していることの表れだと思われる、というようなお話をされていました。

そして、その日本が日本のままであり続けているところが、吉野ではないか?ということで、河瀬直美監督が撮影した金峯山寺の映像が流れました。


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