知らない世界を垣間見る~『Tattoo Age』を読んでみた

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photo credit: FarTripper via photopin cc

家の周りではタトゥーを入れている若い人の姿をよく見かける(←バンドとかやってるのかしらん?と思うけれど、至って普通なカンジの若者だったりする)。

引っ越してきた際に初めて見た時はびっくりしたけれど、今では日常の光景なので、コンビニで半袖Tシャツの先から「もう一枚着てるんですか~?」というように、腕全体にびっしり入れている若い男の子を見ても、イチイチガン見したりしなくなった。馴れってすごいなぁ(笑)

Tattoo Ageという本

タトゥー・エイジ

なんとなく気になって『タトゥー・エイジ』という本を読んでみた。もう一冊『イレズミの世界』という本も読んでいるけれど、これは分厚いのでまだ完読ならず(笑)タトゥーのデザイン本だと思った『タトゥー・エイジ』だったけれど、これがなかなか興味深かった。

内容はというと、

  • 第一章 タトゥーを入れるかどうか迷っているあなたへ
  • 第二章 タトゥーのジャンルとカテゴリー
  • 第三章 タトゥーを最初に入れたのは?
  • 第四章 新旧のアミニズムからシンボルを探そう
  • 第五章 星座を図案化するために
  • 第六章 神話の世界のワンポイント
  • 第七章 魂と生きる聖なる住人たち
  • 第八章 花々の言葉とタトゥー
  • 第九章 今、ポスト・ニュースクールの時代

と、スピリチュアルの本かと見間違うかのような単語が並んでいた。

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第一章 タトゥーを入れるかどうか迷っているあなたへ

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photo credit: paperladyinvites via photopin cc

そもそも刺青とタトゥーって何が違うのかしらん?と思っていたけれど、きちんと定義があるようで。

タトゥー専門誌『タトゥーバースト』の編集部によると、「イレズミ」とは、身体全体を覆い尽くすように仕上げられた日本伝統刺青の作品を指すという。
そして、伝統刺青を学んだ彫師がその技術や様式を用いて掘るならば、それがワンポイント・サイズのものでも、将来、大きな作品の一部になる可能性があることから、「イレズミ」と呼んでいるそうだ。
それ以外のものは、すべて「タトゥー」と総称され、日本の彫師の作品でも、海外のタトゥーのデザインや方法で仕上げられたものは、「タトゥー」と呼んでいるという。

ただ著者の方は、イレズミもタトゥーも同じものだと考えていると述べられていた。いずれも己の身体に墨を入れていくという行為そのものであるからだ、と。

タトゥーとイレズミは同じものだ、と僕は言った。
それらは、入れ方や図柄の違いを超えたところで結ばれているのだろう、と僕は感じている。彫り物だからとか、タトゥーだからとか、そんなチマチマしたところで、自分の生き様を制限することはナンセンスだと思う。

西洋のものだから所詮物真似だとか、日本人だから和彫だとか、そんな偏見を持つ必要もない。自分が惚れ込んだ図柄を、信頼の置ける彫師に彫ってもらい、それを一生かけて己のものにしていくのがタトゥーなのだろう。

ということで、どんな図柄を選ぶかというお話になっていく訳でして。

第二章 タトゥーのジャンルとカテゴリー

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photo credit: Tobyotter via photopin cc

一口にタトゥーといっても、いろいろジャンルやカテゴリーがあるそうで、この本に載っているだけでも

  • トライバル
  • トーテム
  • アステカ
  • マオリ
  • ケルティック
  • アメリカン・トラディショナル
  • バイカー
  • ニュースクール
  • ネオ・トラディショナル
  • ジェイル・タトゥー
  • ブラック&グレイ
  • ファインライン
  • ネオ・トライバル
  • ポートレイト
  • デーモニッシュ
  • バイオメカ
  • ジャパニーズ・スタイル

などなど、こんなにジャンルやカテゴリーがあるとはちっとも知らなかったです。。。

特にトライバルというのはニューエイジ世代の皆さんに大流行したということで。

トライバルというのは「部族(tribe)的な」という意味だ。

~中略~

このトライバルが、世界的なニューエイジ文化の潮流とともに大流行した。ニューエイジというのは、1980年代に入って米国で生まれた哲学・思想・音楽・ヒーリングなどのジャンルをまたいだ潮流で、おもにヒッピー世代の自然回帰願望を持った都市生活者たちから支持された。

神秘的な出来事や古代のアニミズムなどを非科学的だからと排除するのではなく、その中にある叡智を発見しようという姿勢に貫かれている。

確かにニューエイジの聖地、グラストンベリーでもタトゥーした人一杯見ました(笑)

第三章 タトゥーを最初に入れたのは?

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photo credit: Retlaw Snellac Photography via photopin cc

ここでも古代から伝わる、トライバル・タトゥーは現在のすべてのタトゥーの源流となるということで、しっかりと説明されていました。

古代から伝わる、トライバル・タトゥーは、現在のすべてのタトゥーの源流となるわけだが、タトゥーの源流には、顔料を使用したボディ・ペインティングがある。これは、現在でもアフリカ諸国、アボリジニ、北南米先住民などの間で、広く行われている。これらのタトゥーは、場所や時間は異なってはいるが、ある一つの目的がその中に存在している。

それは、自らと自らの種族を残すこと、生き残るということである。

疫病や猛獣、自然災害や天変地異から身を守る知恵として、呪術は生まれてきた。抗いきれない巨大な力の前で、為す術もなく死んでいく家族たちを目の前にして、人間たちは何千年もの間、呆然とし、逃げ続けてきたのだろう。

しかし、その中の何人かが、恐怖に耐え、勇気を持って自然と対峙し、それを見続けた。彼らの何人かは、自然の力の中にある姿を見、メッセージを聞いた。それは森羅万象の法則そのものであり、それに従い、あるいは利用することで、人間の生命力を高めようとしてきた。

それが呪術であり、その一つが分身だったのであろう。

自らの身体に、森羅万象に潜むあらゆる力の主を描き、身にまとうことで、その力を自らのものにしていく術こそ、文身だったに違いない。

*文身とは→肌に針や刃物で傷をつけ,墨汁・朱・ベンガラ・緑青などの色素をすり込んで,文字・紋様・絵柄を描き出すこと。

第四章 新旧アミニズムからシンボルを探そう

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photo credit: Al_HikesAZ via photopin cc

この章では、ネイティブ・アメリカンのシンボルとファッション・タトゥーのシンボルについて、詳しく説明されていました。これ、スピ好きな人が読んだら楽しめると思う。

例えば、よく観光地のお土産物で見る「フクロウ」。「不苦労」とか「福籠」ということで、縁起が良いと言われているけれど、ネイティブ・アメリカンのシンボルとしての「フクロウ」は

暗闇や夜と関係することから、不吉な前兆とされる。

ズニ族はフクロウを賢人たちの魂と呼び、死人の変身した姿と捉えている。フクロウは静かで、優れた狩人だ。

とされていたり、ファッション・タトゥーのシンボルである「蝶」は

幼虫、サナギ、成虫と劇的な変化をすることから「変容」の象徴。

「魂の象徴」とする民族も多い。

女性のデザインであると思われがちだが、特にそういうわけではない。

また、花から花へと華やかに飛び回る姿は、移り気で気まぐれな精神を表すともいわれている。

男に頼らない女という意味合いも強い。

と、良い意味ばかりではないことが書かれている。

第五章 星座を図案化するために

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photo credit: Kath [is not here right now] via photopin cc

占星術は古代の人々にとっては、なくてはならならない物だったということが述べられている。そして、そんな星の世界を自らの身体に刻み込むことで、そのストーリーと共に生きていく手助けとなっていったということも。

この章では、星座が象徴するものとその物語が紹介されている。タトゥーの本で星座の物語を読むとは思わなかった(笑)

例えば天秤座に書かれていたのは

正義の女神アストレイアは、死者の魂を天秤で測り、悪しきものは地獄に送られた。人類には、五つの時代がある。神々と人間が大地の上で一緒に暮らした、黄金時代。アストレイアの天秤はいつも正義に傾いていた。

銀の時代には、神々は愛想を尽かし去っていった。

そして、青銅の時代。人々は戦争を始め、死に絶えてしまった。

続いて、英雄の時代。この時代には、神々を父に人間を母とした英雄が現れた。

しかし、鉄の時代になると人々は堕落し、残忍で嘘つきで好戦的になった。

この時、アストレイアは人間を見放し、天高く去って星座になってしまい、天秤座になった。

星座をタトゥーにするということは、そんな物語を自分も生きていくのだという、意志表明になるのかもしれない、と書かれていた。そういえば大天使ミカエルさんも、死者の魂を天秤で測るお仕事されていたなぁ、ナンテ思いだした(笑)

第六章 神話の世界のワンポイント

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photo credit: Sebastià Giralt via photopin cc

ここでは、ギリシャ神話の神々とインド神話の神々について書かれていた。

日本でもおなじみの弁財天さまはインドの神話の神様として挙げられていて

学問と芸術の女神 サラスヴァティ

仏教では弁財天と呼ばれ、七福神の一人でもある。
サラスヴァティ河を浄化する人格化された水の女神である。のちに学問・芸術の女神となったラサスヴァティは、白鳥に乗り、弦楽器ヴィーナーを手にした優雅な姿で表される。
この神は始めヴィシュヌの妻であったが、後にブラフマーの妻となる。ブラフマーが生み出した女神だという話もある。

この本に載っていた、サラスヴァティのタトゥーはとても綺麗だった。もう芸術作品ですね。

第七章 魂と生きる聖なる住人たち

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photo credit: geckoam via photopin cc

ここでは聖獣、または幻獣、妖精などの幻想生物を図案にしてタトゥーを入れることについて書かれていた。サラマンダーなど、スピ好きにはお馴染みの名前ばかりが並んでいました(笑)

私が個人的に好きなのは、サキュバス。

ヨーロッパの伝承に登場する悪魔、夢魔である。妖艶な美女の肢体に、コウモリの翼を持っている。夜中、サキュバスは夢を装って男の部屋を訪れる。その美しさで男を虜にし、精気を吸い取るのだ。

男は日々衰弱していくが、それでも夢の中の美女と会うのをやめられない。そして、やがては死んでしまう。

危ないものほど魅力的、と思わせる魅惑的なタトゥーの写真が載っていた。サキュバス位、人を惑わせる存在になってみたいわねーと思いつつ(笑)

第八章 花々の言葉とタトゥー

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ここでは花言葉の意味が書かれていた。「花を彫る場合は、基本的には自分の好きな花を入れればいいと思うが、花言葉などの意味を分かったうえで入れないと間抜けなことになりかねない」と書かれていたけれど、確かに知っておいた方が良いかもしれないと思った。

例えば「あじさい」だと

ほら吹き、移り気、あなたは冷たい、元気な女性、高慢、無情、辛抱強い愛情

って、あんまり良い意味で使われることが少ないんだ、、、と思ってしまった。
あじさい、好きなんだけどなー。

第九章 今、ポスト・ニュースクールの時代

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photo credit: sinkdd via photopin cc

ここではこれからのタトゥーの可能性のようなものについて書かれていた。

日本での刺青文化についても書かれていたのだけれど、『古事記』には、イレズミを施している人々が登場し、イレズミをマサキと呼んでいる、という記述があったので、私『古事記』読んでいるはずなのに、頭に入ってなかった↓と思って、ネットで調べたら

また、古代の畿内地方には入れ墨の習俗が存在せず、入れ墨の習俗を有する地域の人々は外来の者として認識されていた、との主張も存在する。

これは、古事記 の神武天皇紀に記された、伊波礼彦尊(後の神武天皇)から伊須気余理比売への求婚使者としてやって来た大久米命の“黥利目・さけるとめ”(目の周囲に施された入れ墨)を見て、伊須気余理比売が驚いた際の記述を論拠とするものである。
~Wikiより引用

と書かれていた。もう一回古事記読み直そうと思った(爆)

まとめ

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世の中知らない世界があるもんだ、と思った一冊でした。ただ、やっぱり私は温泉にも入りたいので、タトゥーは入れないです。よっぽどの覚悟が無いと、出来ないものだと思うし。

化粧は身を護る の記事でも書いたけれど、服を脱いでも取れない刺青は、皮膚の内に悪霊を入り込ませないための一番の手段とも言われている。その分、その服を脱いでも取れない刺青とは、一生付き合っていかなくてはならないから、タトゥーのデザインにもその人の「心意気」が無いと意味を成さないのかも知れない。

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