これからは、綺麗なものしか見たくない

white roses

最近忙しくて疲れているとしか言いようのない状況になっているなぁと思いつつ、近所を散歩していた。

お花屋さんの前にさしかかると、キレイな花々が競う合うように美しさを誇っていて、ついついフラフラとお花屋さんに入ってみると、これ全部で300円と書かれたプラカードが目に入った。

キレイな白い薔薇が20本近く。

これ全部で300円?と思いつつ、プラカードをよく見ると、花が咲ききっているので、処分価格として300円で大奉仕的なことが書かれていた。

お店の人に、あれホントに全部で300円なんですか?と聞いてみると、はい300円ですよーと。

花が咲ききっているということにしても、20本近くの白い薔薇が300円というのは、破格のお値段だなぁーと思っていただいてきた。

包装紙にくるまれた、その白い薔薇の花束を抱えると、薔薇さんたちから「買ってくれてありがとう」という声が聞こえてきたような、気がした。

このままキセキレイに買われなかったら、ゴミとなって捨てられる運命だったから、救ってくれて、ありがとうって。

白い薔薇の花束を抱えて家路を急ぐと、とても幸せな気持ちに包まれた。

そして家に戻って、家中の花瓶を総動員させて、白い薔薇たちを生けてみると、その白薔薇さんたちは、とても立派な姿をしていた。

そしてお部屋に飾ってみると、とても多幸感に溢れてしまった。

お花のパワーってすごいんだなぁ、って改めて感じた。

疲れて切った自分の身体が、白薔薇さんたちを飾る事で、みるみるうちによみがえってきたことがありありと感じ取れた。

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昔読んだ岡崎京子さんの『pink』という漫画を思い出した。

発売と同時に岡崎京子の名を文学界にまで知らしめた、傑作中の傑作。
某評論家には「マンガは文学になった」と絶賛され、
その完成度の高さが岡崎京子のマンガ界での地位を確立したといっても過言ではない。
ふだんはフツーOLユミちゃんは、密かに自宅でワニを飼い、そのエサ代のため、
自分の好きなものを我慢しないために夜はホテトル嬢をしている。
そこに作家を志しながら継母の愛人をしているハルヲ、義理の妹ケイコ、
決して相容れない継母がからんで物語は進む。
リアルなセックス描写を交えながら、お金とは? 本当の愛とは? を描いた作品。
著者自らが作品につけたキャッチコピーは「愛と資本主義」。
彼女が敬愛するジャン・リュック・ゴダールを思わせるコマ割、
真実をつく乾いたセリフと人物描写や時代性が、岡崎京子ならでは。
Amazon商品紹介より引用

フツーのOLのユミちゃんが、ホテトルの仕事の間に買ったピンクの薔薇の花束を眺めながら

「お金でこんなキレイなもんが 買えるなら あたしはいくらでも働くんだ

よし! 明日もがんばるぞ!」

っていうシーンがとても印象に残っていたことを思い出した。

綺麗なものの為に、身体を売る事や、やりたくもないことは、私には出来ない。

けれども、綺麗なものには、何かを頑張れる力を与えてくれることを再確認させてくれた、白い薔薇が、破格の値段で自分に授けられたことの意味は何なんだろうと思ったりして。

綺麗なものには、力がある。

白い薔薇さんたちは、自らの生命を犠牲にして、私に訴えて来てくれた。

これからは、綺麗なものしか見たくない。

pink
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岡崎 京子
マガジンハウス
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